造花って、好みが分かれますよね。
多少手間がかかっても生きている植物を置く方が好きな方もいるでしょうし、一方で世の中、生花が置けない現場で造花が大いに活躍しているのもまた事実。
さて、今日紹介するのはそんな問題も吹き飛ぶくらい「造花っぽい」生きた植物。そんな植物が、沖縄にはもともと自生しているんですね。名を「サクララン」といいます。
サクラランとは
桜なのか蘭なのか分からないような名前ですが、どっちの仲間でもなく「ガガイモ科」という科に属します。園芸業界では学名の属名の部分を取って「ホヤ」と呼ばれたりもするようです。
沖縄の石灰岩地の森にごく普通で、岩にしっかり根を張って育ちます。石灰岩地に生息する植物には、土なんかなくても発芽して、そのまま石灰岩に貼り付きながら成長可能な植物が多く見られるそうです。
葉は限りなくソフビっぽい質感
特徴的なのは何と言ってもやたら厚ぼったい葉。ツヤ感や重さなども相まって、懐かしの「ソフビ人形」にそっくりの感触です。オフィスにあったら多分、10人中10人が「やけに作り物っぽい造花だな〜」と思って通り過ぎるはず。
さて、石灰岩地に普通に見られると書きましたが、この植物、なかなか花を咲かせてくれないそうです。
崖などから大きく垂れ下がるような場所でないと花をつけないらしく、株自体はいくらでもあるのに花はなかなか目にすることができない…ということがよくあります。つい先日も、サクラランの株がいっぱいある沖縄本島南部のフィールドに花の写真を撮りに出かけ、現場でカメラを持ったおっちゃんに「1か所だけ咲いてたけどもう終わったよ〜」と言われ玉砕したばかり。
プラスチック製?と見まごうような花
それが、本日沖縄本島北部の石灰岩の山に入っていた時のこと。
この辺サクラランが多いし、こんだけ垂れ下がってたらどこか花つけてないかな〜?
ん、あれはもしや…
わ、やっぱりサクラランfl(花)だ!実は、間近でちゃんと見るのは初めてだったりします。
噂通りカワイイなぁ…と思って近づいていくと…
あ、あれぇ?何か思ってたのと違う…何この「作り物感」…
喩えるなら、人間だと思って近寄って行ったらマネキンだった、的な気持ち悪さと違和感。もちろん、普通の生きた花です。もともとこういう花なんですね。写真ではちょっと伝わりにくいですが、まるで幼児向けの玩具(それも安物)みたいな質感とディテールです。
というわけで、今日はちょっと珍しいものを見ることができました。憧れが砕け散るのと引き換えに、ですが。。
ちなみに、ここのフィールド自体はこのツアーでご案内しているフィールドなのですが、サクラランが咲いていたポイントは本道から脇道にかなり入った先、さらに藪の中なので、危なくてお客様をご案内することはできません。ご了承下さい。
追記:この後、ツアーのルート上でも咲いてくれました!
(by 宮崎)
我が家でも咲いています。
何という植物か?わからなかったので「作り物みたいなつる性の植物」で検索したら「サクララン」である事が出来わかりました。
家の中で育てていますが今年は3回も咲いています。
我が家はマンションで、今年3年目にして沢山の蕾を付けてくれ、数個ずつ綺麗に咲いてくれてます。
ご近所さんから頂きましたが、名前も分からず…つる状なので手摺りとかに絡ませたらいいのかと試した所たくさん蕾が付いたので嬉しいです。咲いた花を検索したらサクラランと知りました。とても可愛らしい花ですが、蕾がめいっぱい膨らんだ時は少し気持ち悪いです。