さて、沖縄ではいよいよ夏も本格的になってきました。
先日、思い立って1人で懐中電灯片手に、夜の森に行ってきました。
カニに会いに。
翅の短いバッタ、オキナワモリバッタや
おやすみ中のキチョウの仲間がお出迎え。
蚊をたたきつつ夜の森を進むことしばし…(めんどいので、1人のときは蚊よけをつけてません)
いましたよ!本命のミナミオカガニ Cardisoma carnifex
カニって浜にいるもんでしょ?と思っている方には、落ち葉のつもった森の中にカニ、というのが新鮮かもしれません。
でもそういうカニなんです。
普段は海岸(とくにマングローブ)近くの林の中に穴を掘って暮らし、落ち葉などを食べています。
初夏の大潮のタイミングでいっせいに海に下って産卵し、しばらくプランクトンとして海で育った後、陸に上がってきて生活するようになります。そういう意味ではオカヤドカリやヤシガニに近いサイクルですね。
カニをつかむのときは甲羅の横をつかむのが定石ですが、ミナミオカガニはハサミを甲羅のだいぶ後ろまでまわして威嚇してくるので厄介です。
♂は、お腹にある三角形(腹節といいます。実はエビの食べる所にあたる部分です)がせまいのが特徴。
こちらは♀の個体。両方ともハサミがあまり大きくないですね。
♀のお腹の三角形の部分は、卵をかかえられるように幅広になっています。
ごらんのようにかなり大きくなるカニですが、食べても味が薄くおいしくないようです。
もともと数もそんなに多く生息しているわけではないので、観察して楽しむにとどめましょう。
せっかくなので寄った写真も撮ってみました。
どうです、この威容。
はさまれたらさぞかし痛そうですが、♂の超大型個体になるとハサミが湾曲してきっちり閉まらないので、そこに指を入れてもはさまれません(写真の個体くらいだとダメです)(というかいずれにせよ真似しないでください)。
こんな感じでハサミを振り上げ威嚇してきます。そんなに動きが速いわけではないので、追い詰めるとじっくり観察できます。
こんなカニ、ツアーで見に行きたい方いらっしゃいます?
もし一定の需要があれば、イベント的にやるかもしれません。
〈文章:キュリオス沖縄 宮崎〉