意外とオシャレな美しさを見せるツユムシの仲間

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バッタやキリギリスの仲間はたいへん種類が多いのですが、その中でもツユムシは、多くの地域で最も身近な存在なのではないでしょうか。

そんなもん見たことねぇ!という方は今度、公園の草むらなんかをよく覗いてみてください。よほど街中でないかぎり、そしてよほど徹底的に虫が駆除されていない限り、茂みの草の中にはたいてい何らかの種類のツユムシの仲間がいます。

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ツユムシの仲間の幼虫。ここまで小さいと種類はよく分かりません。沖縄県大宜味村にて。

もっとも、全身緑なので慣れないと見つかりにくいのですが。この瑞々しい緑色は生きている時限定で、標本などにしてしまうと色あせた色になってしまいます。

ツユムシはキリギリスの仲間(キリギリス科)の中では華奢で脚も細く、弱々しい印象を受けます。実際、獰猛な肉食性の昆虫が多いキリギリスの仲間には珍しく、完全な草食性です。過密で飼ったりすれば共食いしないとは言い切れませんが。

さて、緑一色の種類も美しいのですが、ツユムシの仲間には意外なほどオシャレな色彩をまとうものがいます。

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ナカオレツユムシ Isopsera denticulata 沖縄県大宜味村にて。

こちらはナカオレツユムシの幼虫(Tさん、ご教授ありがとうございます!)

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緑の体に赤紫の目と脚。かなり大胆な小悪魔的コーデと言えるのではないでしょうか。そうそう、写真に撮ると中々ピント範囲に入らないですが、ツユムシと言えばシュッと長い極細の触角もチャームポイントです。

ただ幼虫はこんなにオシャレなのに、成虫になると全身緑のごく平凡なツユムシになってしまいます。大人になって「いい加減、小悪魔とか言ってる場合じゃないか…(溜息)」とスーツに身を包む感じでしょうか。

そして今回、意外に美しいな〜と改めて思ったのがこちらのオキナワヘリグロツユムシ Psyrana ryukyuensis

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ヤブニッケイの葉にとまるオキナワヘリグロツユムシ。沖縄県東村にて。

翅に、マスクメロンの模様をごく細かくしたような模様が入ります。また翅は黒く縁取られます

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捕獲してみた

「葉に紛れやすい」と言っちゃえばそれまでですが、大変シックでオシャレだと思います。

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かっちり撮ってみた

ツユムシの仲間としては大型で体もがっしりしています。

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ハイキーに振ってふんわり撮ってみた

ちなみに、熱帯にはもっとはるかにカラフルなツユムシの仲間が生息しています。緑の地にパステル調の赤・青・黄が入るツユムシの写真を見せられた時は度肝を抜かれました。一度は実物を見に行ってみたいですね。

さて、最後になりますが、ツユムシの仲間はかなり体が柔らかく華奢なため、イナゴなんかのノリでつかむとすぐ潰れてしいます。あまり無理な捕まえ方をせず、できるだけ優しく扱いましょう。

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