沖縄県地域環境センター(沖縄こどもの国チルドレンズセンター1F内)の主催で、先日8月20日、恩納村の干潟にて「海の生き物観察会」が開催されました。
この観察会に弊社のメンバーも講師として参加して来たので、その模様をお伝えします。
講師陣はこちら。
「しかたに自然案内」を運営し、沖縄における海洋・生物教育啓蒙活動を行ってらっしゃいます。
そして我らがキュリオス沖縄の仲栄真君。
私宮崎は、もっぱら写真を撮るというポジションで参加しました。
また、沖縄こどもの国のスタッフさま方(集合写真撮り忘れましたorz)がイベントのお膳立てから会場設営、当日の安全管理まで担当してくださいました。
まずは、事前学習が行われる恩納村ふれあい学習センターの教室にて打ち合わせ。
集合時間の13:30になり、続々と参加者が集まってきます。この日の参加者は全体で30名ほど。
ここで一通り危険生物・熱中症への注意喚起、観察の際のポイントなどについてレクチャーが行われました。
干潟の生物観察に行く際の注意点をごく簡単に挙げると、
- 熱中症対策をしっかり(帽子、首にタオル、水分をこまめに補給)
- サンダル厳禁(後述します)
- 危険生物に関する知識をある程度身につけていく
- サンゴ、そしてなるべくなら海草も踏まないように歩く
- ひっくり返した石は必ずもとにもどす
こんなところでしょうか。
レクチャーが終わり、いよいよセンターの裏の干潟海岸へ!…観察会にクバ笠って、渋い。
皆さん、足元はバッチリでした。
海というとビーサンや草履で行く人が多いですが、こと足元が岩場だったり、転石がごろごろしてたりという海岸では岩で足を切ったり、生き物の棘に刺されたりというリスクがあり大変危険です。
こういう場所での生物観察に一番いいのはフェルト底のマリンブーツですが、底がしっかりした運動靴でも十分代用できます。詳しくはこちらをご覧下さい。
さて、先陣を切って生き物を探してくれていた子が探してくれたこの生き物、なんだか分かります??
裏返してみたら分かりやすいでしょうか。これ、イソアワモチという「殻のない貝類」です。
こんな感じで岩にひっついています。
殻がない、というだけでもヘンな奴ですが、実はこの貝、肺で直接空気を呼吸します(多くの海産の貝類はエラ呼吸のみ)。さらに、呼吸をするための穴が肛門の後ろに空いています。
海辺で見かけたら、是非おしりの辺りを覗き込んでみて下さい。
こちらはナマコの仲間のオオイカリナマコ。
たいへん長くなるナマコで(2mぐらい)、サンゴ礁の浅い砂地やアマモ場に多く生息しています。
体はぶよんぶよん(大部分が水)で、おまけに触ると手にひっつきます。ぱっと見、粘着しているようにも見えますが、実はこれは体の表面にあるカルシウムの棘(骨片)が引っかかっているのです。この骨片が錨(いかり)の形をしているので「イカリナマコ」という名がついた、といわれています。
ちょっと遠目で分かりづらいですが、こちらはソデカラッパというカニ。カラッパが見つかったら面白いね〜なんて話をしながら歩いていたら、なんと一人の男の子が見つけてくれました!
?これのどこがカニなんだ?という形をしています。
ひっくり返すと分かりやすいでしょうか。なんというか甲羅の左右が張りだして脚を覆うアーマー(鎧)みたいになってます。そして左右のハサミはその甲羅と完璧につながるようなデザイン。
上の写真でカニの右(カニから見て右)のハサミに奇妙な白い突起があるのが分かるでしょうか。またの機会に詳説しますが、実はカラッパ類はこの突起を支点にして巻き貝類を「缶切り」の原理でバリバリと割って食べるのです。
ちなみにこちらは鹿谷さんのグループ。
事前の班分けで「生き物を探してガンガン行く組(弊社仲栄真)」と「のんびり行く組(鹿谷さん)」とに分かれたのですが、結局どちらのグループも生き物を目にすると「もっと探そう!」とガンガン前に進んでしまう感じでした。
しかし、子供たちの生き物を見つける速度の素早いこと。弊社仲栄真、そして私も普段から海の生き物を探し慣れているはずなのですが、この日解説した生き物の半分くらいは子どもたちが先に見つけてしまいました。
こちらはカワテブクロというヒトデの仲間。腕が冗談のように太いですね。
かなり暑い日で、2時間ほどで海岸での生き物観察は終了。参加した子どもたちには大変楽しんでくれたようで、「来年も来たい人〜?」との問いかけに全員挙手してくれました。
鹿谷さん、仲栄真君、お疲れ様です。企画を立てて色々お膳立てしてくださった子供の国の皆様、ありがとうございました!
おまけ。ホワイトボードに海の生き物を描いてウェルカムボード的なものにしよう!ということで描き始めたものの、いつのまにか「うろ覚えイラスト大会」になってしまいました。
(宮崎)