少し前の話になりますが、去る10月23日に国頭村森林公園にて「美ら島財団総合研究センター」の主催で「プロジェクト・ワイルド」の講習会が開かれたので、参加してきました(一般財団法人 沖縄美ら島財団設立40周年記念)。
『プロジェクト・ワイルド』とは「自然を大切に」と理解するだけでなく 「自然や環境のために行動できる人」を育成することに取り組んだ野生生物を題材とした環境教育プログラムです。
集まった皆さんは、県内でエコツアーを主催されている方、そういったツアーに常連の地元の方、その他自然の「インタープリテーション」に関わる方、学生の方、などなど。
講師は左の方、後藤和夫さん。アメリカで発展した環境学習プログラム「プロジェクト・ワイルド」の有用性に目をつけ、日本での普及に尽力してこられた方です。
講習が始まると、のっけから外に出されました。
「プロジェクト・ワイルド」は、一方的なレクチャーではなく参加者が自ら体を動かしたり思考したりするアクティビティを重視しているそうです。
まずはアイス・ブレイクということで、簡単なゲームを通じて「人間が一部の生き物のバランスを変えると、ありとあらゆる生き物に影響してくる」ということを学びました。
その後、室内にもどって自己紹介。
続いて、「ある池の回りの都市計画を考えよう」というワーク(”とんぼ池”)
各班で、「住民」「農工業」「商業」などのポジションに分かれ、もともとある自然を活かした都市計画を協議していきます。
コスト的に実現可能な街づくり、など各班参加している方のポジションにより目をつけるポイントが違っていて面白かったです。
お昼ごはんをはさんで午後は、各班でアクティビティを実際に自分たちで主催するための準備&実践。
シカの増減が、シカが利用可能な資源の量によってもろに制限を受けるということを体感する「オー・ディア」
自然界に放出されたゴミやマイクロプラスチック、化学物質を回収することの難しさ、事前に分別することの重要性を実感する「ゴミ拾い」
相利共生・片利共生・寄生する生き物同士の関係を当事者の生き物の立場に立って理解する「大親友」
解説してしまえばそれほど難しい内容ではないのですが、どのワークも
- 参加者が自ら手足を動かし、参加する
- 答えを指導者がレクチャーするのではなく、参加者に自ら実感し気づいてもらう
- 自然界に生きている生き物の立場に立って考える
ということを重視したものになっていました。
また、全体的に理屈を説明するため効率的な作業というよりも「遊び」として楽しく参加できるように作られており、子供向けのプログラムを作る上でもとても参考になりそうです。
というわけで、参加した皆さんお疲れ様でした。また、主催してくださった美ら島財団総合研究センター、運営に関わった皆様、後藤和夫様、ありがとうございました!