前回、天候不順のために山に入れなかった県内参加者向けのやんばるツアー。
今回は天候にめぐまれ、存分に山を堪能することが出来ました!
昼からのツアーなのでまずは大宜味の道の駅で腹ごしらえ。
時期限定かもしれませんが、ここ大宜味の道の駅の食堂では水の代わりにシークワーサー水がピッチャーで飲み放題です(写真右上)。「◯◯の天然水」とか「◯ろはす」とかより濃くてしかも甘くなく、なかなか美味しかったです。
さすが、柑橘の里おおぎみ!
山に登る峠道は「ススキロード」と化していました。7-8分ほどの峠道を登って登山口の駐車場へ。
今回の参加者は16名あまりと、やや大所帯でございます。
登山道の入り口に咲いていたサキシマフヨウ(アオイ科)。もうそろそろ花も終わりかけで、代わりに綿毛をつけた種がいっぱい詰まった果実も見られました。
いざ入山。
登山道に入ると、湿度が一気に高くなるのが分かります。
ツワブキ(キク科)の黄色い花がたくんさん咲いていました。沖縄ではこの花が咲くようになると、いよいよ本格的に冬の到来です。
ちなみにツワブキの花はキク科の花らしい清々しい香りがします。嗅いだことがない方はぜひ。
こちらも冬の花、アリモリソウ(キツネノマゴ科)。
うつむき加減に咲きます。一見真っ白な花ですが、花の中をのぞきこむと赤紫色の模様が見えます。
種類の分からないキノコ。
枯れた樹、弱った樹の材の中には、菌類の菌糸が入り込みはびこって分解を加速させていきます。倒木はキノコを含む菌類のパラダイスになり、そららを食べにカタツムリの仲間なども集まってきます。
アオミオカタニシ。きれいな緑色をしていますがこれは実(肉)の部分の色で、殻は無色の半透明です。
途中の広場で休憩。
今回のツアーは、沖縄県が「奄美琉球」の世界自然遺産を目指していることを県内のみなさまに普及啓発することが目的でもあるので、そのへんのお話もしました。
さらに石段の登山道を登っていきます。
お子さんが見つけて大喜びしたナナホシキンカメムシ。虫がやや少なくなったこの季節でも安定して見られるいい昆虫です。匂いはアレですが(キュウリの青臭い匂いを濃縮して強烈にしたような感じです)。
葉の裏に集団で止まっているところも見かけました。
ようやく尾根に到着。ちょっとガスってましたが、やんばるの山々と西海岸の海が一望できます。
頂上へは、ここからなだらかな尾根道を歩いてすぐです。
アオノクマタケラン(ショウガ科)の実。ドキッとするほど赤いです。
そして尾根沿いの道に咲いていたのがこのオキナワテイショウソウ(オキナワハグマ)(キク科)。
花弁の先がくるんと同じ方向に捻れた、独特の花です。
サイズはこんなもん。
尾根道を歩いてすぐ、山頂に到着します。しますが、ここの山頂はあんまり開けてないので、さきほどの尾根道に着いた時点ですでに登頂が終わったような感じです。
そして、参加者の方が山頂で見つけてくれた面白い植物がこちら。
ナンバンギセル(ハマウツボ科)という寄生植物です。
イネ科の植物の根に寄生し、地上へは花茎(かけい)と花のみが出てくる、というとても変わった植物。葉緑体はないため、生きているときも茎は枯れたような色をしています。
その他、下山途中でシリケンイモリや、
オキナワキノボリトカゲなど。
気温的にも植物の装い的にもすっかり冬ですが、冬でもそれなりに温暖な沖縄ではこの季節も様々な生き物が活動を続けていました。
車道に出てしばらく行ったところでオキナワスズメウリ(ウリ科)が大量に実をつけているのを見つけました。
可愛らしい実ですが、すさまじい繁殖力ではびこるので庭などに植える際は要注意です。
最後に、オオバギの葉が切られくるんと丸まっているのを発見。
開いてみると、ハネナシコロギスの巣でした。
夜になると葉の上などで獲物を待っていますが、昼間はこんな感じの巣をつくってその中に隠れています。
そんな訳で、とても充実した山歩きでした。
なお、今回のツアーと同内容のツアーは、弊社のこちらのガイドツアーにてご参加いただけます。
やんばる山トレッキング !植物・昆虫をじっくり観察しながら、季節の山を歩く
所要時間:約3時間
<混合プラン> ¥6,000/1名様
<グループ貸し切りプラン> 1名様¥7,000(4名でお申し込み)〜¥9, 000(2名で〃)