【企業研修】琉球銀行さまと協同で、ビーチクリーン&ビーチコーミングのプログラムを実施しました!

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先週の2018年4月14日(土)に、地元沖縄の銀行「琉球銀行」さまとビーチクリーン&ビーチコーミングのプログラムを実施いたしました。

このプログラムは、琉球銀行も会員として参加する「日本の森を守る 地方銀行有志の会」の10周年イベントの一環として実施されたもので、今回「沖縄の銀行らしく、やるなら『海の森』であるサンゴ礁の保全に関わりたい!」という琉球銀行さまの強い想いで実現しました。

「こんなもの一所懸命見たの初めてだわ…」と言いながら熱中してくださいました

今回のプログラムのコンセプトは「ビーチクリーニング、ビーチコーミングを通じてサンゴ礁の自然を知ろう、興味を持とう!」そして「知ったり、興味・関心を持ったり、それを発信したりすることが保全の重要な一歩であることに気付こう!」というもの。

当日は、午前は行員の方々とそのご家族、午後は新入社員の方々が交代でプログラムに参加。当日の様子を写真でダイジェストでお伝えします。

両側に生えているのは代表的な沖縄の海岸植物アダン

まずは、道沿いの海岸植物なども観察しながら集合場所まで移動です。

ガヤバジの巣を観察

沖縄で「ガヤバジ(カヤの原っぱにいるハチの意)」と呼ばれるオキナワチビアシナガバチの巣を見せられてちょっとビビる子どもたち。

シーミー(清明)シーズンのお墓の草刈りをしていてチクっとやられるのは、だいたいこいつです。

まずは全体で挨拶&本日のプログラムについて説明です。

こちら本日のガイド陣です。私以外若いですが、みなさん沖縄の自然・フィールドや生物学に明るいのはもちろん、それぞれが何らかの生物学分野のスペシャリストの卵たちです。

ヘリグロヒメトカゲ

ゴミを拾ったり、バッタやトカゲ、植物などを見ながら進みます。このヘリグロヒメトカゲは行員であるお父さまがつかまえていました。見かけに似ずめちゃくちゃ素早いトカゲです。

このアダンの林をくぐると向こうは海。

海岸に出た!

ビーチクリーニングなのでもちろんゴミは拾うのですが、本日はそれに加えて「ビーチコーミング」、つまり海岸に打ち上げられているゴミではない様々なものを拾い集め、観察したりもします。

こんなシートを配布しました。いくつ見つかるかな?

なにか面白いものを見つけたよう。

こちらでも。

ちょっと見せてもらいました。

マダライモ、イボシマイモ、ノシガイ、オオシマヤタテ、ハナビラダカラ、それにビーチグラスなどなど。

沖縄ではきれいに丸くけずられたビーチグラスは少なく、こんなカチ割り氷みたいなカクカクしたビーチグラスが多く見つかります。これは沖縄の砂が、石灰岩主体のとても柔らかい(硬度が低い)砂でガラスを削りきれないからと考えられます。

ビーチグラスは人工物ですが、こんな所にもちゃんと沖縄の自然が絡んでいるのです。

こちらは午後の新入行員組の方々。今回、新入社員研修の一環と位置付けられているそうで、真剣です。でも楽しそう。

そして皆さんが拾ってきたものをネタにして、私たちがいろいろしゃべくったり、問いかけて考えてもらったり。

たとえば、子どもたちにふだん海岸でなにげなく骨(骨格)を目にしている「サンゴ」という生き物について。

大人のみなさんにも、サンゴの白化について。

たった今拾ってきたものと目の前の海が教材。

お説教くさくサンゴ礁の環境保全の重要性を説くというよりは、サンゴ礁の海がより好きになってもらえるよう、そしてその魅力をどうやって伝えようか、というお話をしてきました。

そして今回みなさんで制作したのが、「飾りたくなるビーチコーミング標本」。

ちなみにこれ、ただのインテリアではありません。

プログラムに参加した行員の方全員が、この中身をつかって「サンゴ礁にまつわる何か面白い話」ができるようにしましょう!ということで企画しているので、銀行などの窓口などで見かけたら、ぜひ「これなぁに?」って聞いてみて下さい。

最後に、まとめの話をして記念写真を撮って終了!

こちらは新入行員の方々。なんかバラバラに見えますが、これは全員がスタンバイする前に弊社カメラの電池が切れてしまったためです(すみませんでした!)。新入行員の方々のチームワークは抜群でしたよ。

琉球銀行の行員の皆さま、ご家族の皆さま、本当にありがとうございました!  

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泡瀬干潟観察会でメナガオサガニハサミエボシに出会いました!

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4月15日(土)に泡瀬干潟を守る連絡会主催の泡瀬干潟観察会に案内役として参加しました!

天気はちょうどよい感じの曇り。風も涼しく、快適に実施できました。

集合場所の浜。

 

出発前にアーサ汁が配られました。貝も入っています。ごちそうさまでした!

 

アナアオサ(左)とヒトエグサ(右)。やわらかさが違うね、と触り比べ。

アナアオサは2層の細胞でできているけどヒトエグサは1層の細胞でできているのでやわらかさが違う?触ってみていかがだったでしょうか。ヒトエグサは”一重草”ということですね。

小さいゴマフクモヒトデ。子どもたちに大人気でした。

 

左からホウシュノタマ、キンセンガニ、オヒルギの赤い萼。

 

小さいジャノメアメフラシ。目が可愛いと人気でした。

指先で背中をグリグリすると体内に殻が入っているのがわかります。アメフラシは殻を退化させた貝の仲間(軟体動物)。

ウミケムシの仲間?よく見るとかわいい。

 

ウロコムシの仲間?

 

ひょっこりと殻が水面から顔を出すハボウキガイ。

 

参加者が見つけたメナガオサガニに赤いハサミが・・・と思ってよく見てみると・・・

3本目の鋏脚ではなく、エボシガイの仲間っぽい。後で調べてみるとメナガオサガニハサミエボシ Octolasmis unguisiformis のようです。エボシガイは「ガイ(カイ)」とついていますがフジツボの仲間で甲殻類になります。ハサミに見えるので名前に「ハサミ」と入っているのでしょうか。ということはこの位置に特異的に着生するのでしょうか。そうだったらよくこんなところに・・・。

なんて感心していたらつい先日環境省が発表した海洋生物レッドリスト2017にて絶滅危惧IA類に指定されていました。絶滅危惧IA類は「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」というレベルになります。貴重な生き物だったんですね。

 

ちなみにメナガオサガニにはオサガニヤドリガイという小さな二枚貝も寄生(なのか共生なのか、関係性は不明)するようです。

ナマコ三兄弟。クロナマコ、トゲクリイロナマコ、ハネジナマコ。

 

クルマエビの仲間?参加者が砂を掘ると偶然発見。

 

今回の観察会のためにキュリオス沖縄の職人・宮崎に秘密兵器を製作してもらいました。

自作のヤビーポンプ。

砂の中に生息する生物を吸い出すヤビーポンプです。市販のものがあるのですが、日本国内では販売されておらず、手に入れるにはオーストラリアなどから個人輸入する必要があります。ということで作ってもらいました。

砂中泡瀬干潟をしばらく歩くとにはボコボコと小さな砂山に遭遇します。ゴカイやギボシムシ、ユムシの仲間など、砂の中に生息する生き物が排泄した砂が小さな山になっています。

そんな場所を見つけて試しに使ってみましたが結果はイマイチ。もうちょっと回数を重ねて使用してみたいところですが、道具そのものにも改良の余地がありそうです。
(使用の際はフィールドを荒らすことがないようにやたらめったらに使うことはしませんでした。)

 

当初の予想の倍近い参加者が集まって驚きましたが、事故やケガなく観察会は無事に終了!次回は8月に再度観察会を行う予定です。それまでにヤビーポンプの改良をしなくちゃ^^;

 

(仲栄真)

 

キュリオス沖縄では砂干潟と岩礁帯が隣接するフィールドでツアーを行っています。そちらもぜひ!

干潟ウォッチング!海の生き物の宝庫「亜熱帯の干潟」を訪ね歩いてみよう

生き物探しリーフトレッキング! 「サンゴ礁の海」で専門家ガイドと一緒に生き物さがし!

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日本環境会議で発表してきました!

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昨日21日に沖縄国際大学で開かれた日本環境会議にてキュリオス沖縄の取り組みについて発表してきました。今回は学生時代にお世話になったS先生のご紹介で発表の機会をいただきました。

 

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上等な3号館!

 

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会場はコチラ。

 

「環境」と名がついていますが、発表の内容は平和や人権、基地問題などなど、幅広い分野の発表が集まっていました。いくつかの分科会がある中で、今回は若者の活動を主に集めた第6分科会 第2部「若者の実践」というテーマのもとで、今年立ち上げたばかりの私たちキュリオス沖縄について立ち上げの経緯やこれまでの活動、これからの活動について報告させていただきました。

 

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この日は天気よく、建物からの景色もよかったです。

 

ちょっと早口になってしまいましたが時間ぴったりで発表終了。教育活動・研究活動・経済活動の場として沖縄の自然環境を利用することで、自然環境に新たな価値を付加して価値を高めるという、キュリオスの活動指針のひとつをご紹介しました。研究する立場から教育・観光への分野に参入したことはちょっと驚きだったようです。

 

同じ分科会の発表で興味深かったのは琉球王国時代の政治家・蔡温(さいおん)が行っていた土地管理施策のお話。風水の考え方で気の流れが漏れ出てしまうのを防ぐ「抱護」にもとづいて集落や畑、島の周囲に植林する政策を進めたそうです。風水的な意味もあったけど、これが土壌の流出を防いで田畑の質を保ったのではないか、とのこと。

また、当時の自然資源について利用する権利と共に管理する義務を追わせる制度を確立したとか。琉球王国時代にも実際に制度として資源管理が行われていたのは知らなかったのでとても興味深かったです。

 

交流会では中国・韓国から来ていた保全団体の方々とも交流。中国の都市部の人は身近な水や空気についてはとても強い関心を持つ一方で生活圏から離れた自然に対しては関心が低く、そこが課題なのだそうです。海外の人々の自然に対する意識も気になるところですね。

 

そんな感じで無事に終了!少しドタバタと発表をつくりましたが、時間内に収まって良かったです。今後も自分たちの活動について発信する機会を作っていこうと思います。

 

 

(仲栄真)

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県立博物館での講演「沖縄の土を知って、これからの環境を考える」を聴いて来ました!

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少し時間が空いてしまいましたが、10月15日に県立博物館で催された土壌学者、金城和俊先生による講演会を聴きに行ってきましたのでその様子をレポートします。

まず驚いたのが、金城先生が持ち込んだ土壌の標本。地表から地下1.5mくらいまでの地層がスライスされて、薄い布に貼り付けられています。

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金城先生にどうやって作るのかお聞きしましたが、まず土壌を掘り進めて断面をつくり、そこに樹脂を浸透させて布を貼り付け、固化させてから剥がす、とのことです。何日もかかるそうで、雨が降ったりしたら一筋縄では行かなそうです。

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休み時間に近寄って見学できました。触ってもOKとのこと!

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土壌学とは?

土壌学というのは「地質学」とも微妙に違っていて、土壌を構成する成分や鉱物などの分析や比較に加え、土壌にかかわる生物の働きについての研究というニュアンスも加味されているそうです。

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気候帯によって分布する土壌は異なっており、沖縄を含む亜熱帯地域は「赤黄色土」と呼ばれる土壌が大きな割合を占めるそうです。

ちなみに全世界の土壌を陸地のエリアに均一な厚さになるように均すと、なんと平均18cmの深さしかないそうです。作物となる植物が健全に育つための土壌の深さが最低30cmと言われているので、いかに土壌が貴重であるか分かります。

土壌学ってどんなことをするの?

これは僕も興味ありました。

土壌はふつうは地表の浅いところにしかないので、重機を使って掘るようなことは稀だそうです。で、スコップを使っておよそ0.7t(!)の土を掘り出して人が中でしゃがめる穴を堀り、その穴の断面から土壌の様子を観察するそうです。沖縄の土は大変硬く、この大きさの穴を掘るのにがんばっても40-60分かかるとのこと。体力勝負な研究ですね。

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沖縄の土壌について

沖縄には、主に下記のような土壌が分布しているそうです。

  • 国頭マージ (赤黄色土)

一番多い 非常に年代的には古い→有機物が少なく、強い酸性 バラバラになりやすい。千枚岩、粘板岩、砂岩などが母材

  • 島尻マージ (暗赤色土)

海岸沿いに分布透水性が高い(根菜類の栽培に適する 人参の栽培に向いた津堅島もこれ)。母材としては国頭マージとほぼ同じ。水はけが良すぎるのでジャーガルをブレンドして土質改良をしている。風成塵(黄砂)が過去には(7万〜1万)大量に飛んできたと考えられ、これが島尻マージの生成のもとになったのでは?と考えられている

  • ジャーガル(灰色)

中南部、浜比嘉くらいまで。泥岩(クチャ)が母材。水はけがめちゃくちゃ悪い(スメクタイトを含む)※北部の灰色の土は酸性硫酸塩土壌といって性質が異なり、農作物には全く使えない

  • 沖積土壌

土壌の世界にも、開発などの影響によりほとんど見られなくなった土壌があり、「日本ペドロジー学会」により「レッドデータ土壌」なるものが制定されているそうです。沖縄本島では、森林が残っている場所のジャーガル地帯(県南部)が非常に貴重で、「絶滅危惧土壌」に指定されています。

赤土流出について

今回、このテーマを聞きたくて講演を聴きにきた参加者も多いのではないかと思います。

沖縄本島の赤土、国頭マージは、露出した(草などに覆われていない)状態、とくに露出して斜面になっている場所に雨が降った場合、土の団粒構造が崩れて流れてしまうということです。土の中に含まれている有機物は「ツナギ」の役割を果たすのですが、国頭マージには有機物が非常に少ないため、容易に粒がバラバラになって「濁流」となってしまうそうです。

赤土流出の原因とその対策についてはよく研究され十分なノウハウがあるそうです。具体的には土壌表面が裸地にならないよう植物を植える、勾配を修正する、など。これらの対策は現在では大きな工事の場合よく行われており、沖縄本島で現在流出の主因になっているのは農業用地からの流出である、ということでした。しかしその対策やコストを農家に丸投げするのではなく、行政の力で補助をしながら対策をすすめることが重要だということを非常に強調しておられました。

土壌と人の関わり

今回金城先生が結びで話されたのは、土壌と人類文明のお話。人類の四代文明はいずれも大河のほとり、作物を育てるための土壌が非常に栄養豊かな地域で始まりましたが、文明の荒廃や滅亡にも作物を育てる土壌の劣化が非常に大きく関わっていたのではないか、というお話でした。

土壌の汚染や流出は、なにも沖縄だけの問題ではありません。現在、土壌生成量は1t/ha/yrで、その5-30倍の土壌が侵食により失われて行っているそうです。平均で18cmの厚さしかない貴重な土壌が、です。

講演を聴いて

普段、フィールドで生き物を観察したり撮影したりするため土の上に這いつくばることはあっても、土壌というものに強い関心を寄せたことはあまりありませんでしたが、今回の講演を聴いて少し道端にある土についても「どこら来たのか…?」など今興味が湧くようにあんりました。

また、改めて人間の文明は自然のシステムに生かされているなぁという実感を持ちました。

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第8回モニターツアーを具志頭遊歩道で開催しました!

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今日は朝から第8回モニタツアー「博士と行く、ホロホローの森 ~散歩道が10倍楽しくなる植物と地形のフシギ~」でした。平日開催ということで参加者が集まるか心配でしたが、5日前には受付けを締切るほどお問い合せをいただきました。感謝!

そしていよいよ当日。

植物観察の手引き
前日にガサゴソと準備。今回は植物観察の際に役立つ情報をまとめた冊子を用意しました。

 

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5分遅れでスタート!まずは安全管理について情報共有。

 

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集合場所のムラサキシキブ、ハマイヌビワを使って葉のつき方について解説。さっそく観察の手引を開いてもらいました。

 

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ハラビロカマキリの若個体で盛り上がりつつ、さっそく遊歩道へGO!

 

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遊歩道へ入ってすぐのところで360°写真。

遊歩道に入ってすぐはこんな感じ。ハマイヌビワ、ガジュマルが頭上を覆い、ノアサガオ、アマチャヅル、ミツバビンボウカズラなどのつる植物からなるマント群落が隙間を埋めてくれます。マント群落は陽射しを遮り、森の中が乾燥するのを防いでくれます。

 

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ショウベンノキで三出複葉の解説。3枚で1セットの葉っぱ。

 

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「ああ、これのことか」とここでも観察の手引が活躍。いい感じ。

 

 

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ヤブニッケイ。「ホロホローの森」と呼ばれるこの森。ヤブニッケイのことを地元具志頭ではホロホローと呼ぶそうです。

 

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葉をもんで香りを嗅いでもらいました。

 

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開けた場所で休憩がてらにガジュマル、アコウ、ハマイヌビワの見分け方について解説。

 

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高いところから気根がたくさん垂れ下がっていました。

 

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「あ!葉の裏に何かいる!?」

 

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ナナホシキンカメムシでした。匂いも嗅がせていただきました。。

 

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葉先がくるくるっとしたトウヅルモドキ。他の植物に葉先をからめてよじ登り、光が当たる場所を確保します。

 

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トウヅルモドキの解説をした直後に「あ!確かに上の方にもいる!」と参加者自身が発見することも。

 

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ぱっと見でそっくりなアマチャヅルとヤブガラシの葉を見比べて違いを探してみる。

 

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左がアマチャヅル、右がヤブガラシ。

葉の形はヤブガラシのほうがギザギザ(鋸歯といいます)が明瞭。葉のつけ根をみるとアマチャヅルは一カ所から生えている感じだけどヤブガラシは少し葉柄が長くなっている。あとはヤブガラシのほうは少し葉柄に赤味がかっていたり。皆さんよく気づきます。

 

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案内の途中、熱心にメモを取る方が多かったです。質問も多くでて、参加者の好奇心の高さがうかがえました。

 

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出口のところではアマクサギの花が咲いていました。

 

じっくり2時間ちょいかけて無事に出口へ到着。皆さんお疲れ様でした!

 

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ゆっくり歩いてスタート地点へ!

 

まとめをして、アンケートを記入してもらい、解散。終了後も質問がいくつかでて盛り上がりました。やんばるでは見れない沖縄南部特有の自然を楽しんでいただけたようです。参加者の皆さまからもいろいろとお話を聴くことができて、私たちにとっても学びのある時間となりました。今回はご参加いただきありがとうございました。次回もぜひ!

こちらのコースは近々正規のツアーコースに追加しますのでお楽しみに!

 

<お知らせ>

今回のモニターツアーにご同行いただいた八重瀬町役場 観光振興課さまよりお知らせがありました。10月30日に今回と同じ場所(具志頭遊歩道)で「まち歩き」イベントを実施するとのこと。地元の方々がガイドを行うということで、私たちでは話せない地元地域密着の歴史・文化・自然のお話が聞けるかと思います。よろしければこちらもぜひご参加ください。

 

<お知らせ2>

今回のモニターツアーで使用した具志頭遊歩道を活用したツアーコースを正式にラインナップに追加しました!ツアーのお申込みを受付けておりますので沖縄へご旅行の際はぜひご利用ください。もう少し涼しくなってくるとより快適に散策できるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

http://curiousokinawa.com/nanbuforest.html

 

(仲栄真)

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エコツーリズムセミナーに参加しました。

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今日は打ち合わせやセミナー参加で朝から県庁周辺をうろうろしておりました。

 

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那覇市役所。ジョートーな建物です。

日差しを浴びるとまだまだ暑いですね。ときどきコンビニで涼みつつ、建物の陰から陰へと移動します。午前の打ち合わせは県庁にて。一度戻って昼食を取った後はセミナー参加のため某バス会社のビルへ。

 

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今回参加したセミナーはこちら。

 

「エコツーリズム」という言葉にはいろいろな定義があるのですが、大雑把に言うと地域の人々が主体となり地域資源を活用した観光で地域振興を行う、といったところでしょうか。ここでいう地域資源は自然環境に限らず、その土地の文化や伝統、歴史、そこに住む人々など幅広く含まれています。

キュリオス沖縄は沖縄県南北のフィールドを利用させていただいており、特定の地域に根ざしてその地域でのみ活動しているわけではありません。それで言うと地域の人々からは「よそ者」ということになります。そんな僕らとしては、よそ者として如何に地域へ貢献できるかということが課題となり、まだ答えを模索する中にあります。

私たちはその地域の自然環境に魅了されて利用させてもらっているので、もしもその地域が主体となってフィールドの保全・管理のための取り組みを行うならば、もちろん私たちにできる最大限の協力と応援をしたいと考えています。

今回のセミナーでもエコツーリズムでどのように地域づくりを行うかが焦点になったのですが、そういった地域づくりに参画しているセミナー参加者の方々は僕らのような「よそ者」とお互いにどう協力できるかを考えてくれていたので、とても前向きな想いをもって会場を出ることができました。

私たちは沖縄という大きな枠で「地域」を捉えていますが、フィールドを利用している各地域への貢献も忘れることなく、活動を進めていきたいと思います。

 

ということで今回のセミナー主催者のおきなわ環境クラブさんやエコツーリズムの事例・成功例として話題に上がった国頭村、長野県の南信州観光振興社のリンクをご紹介。

 

(仲栄真)

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ペリーさんと沖縄の植物学

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昨日はキュリオス沖縄も休日だったのですが、ボスから連絡が入りました。

「ペリーが県立博物館に来るらしい!」

意味不明な興味深い発言だと思い調べてみると、9月16日から19日の日程で沖縄コンベンションセンターで開かれていた日本植物学会の公開講演会が県立博物館で開かれるそうで、そのタイトルが「黒船から始まった沖縄の植物学」でした。

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会場で配布されていた資料。

 

ペリー艦隊が来日して徳川幕府に開国を迫ることは教科書にも載っていることですが、実はその来日の足がかりとして、先に当時の琉球王国へ来航していたのです。1983年に一度琉球王国へ入り、その後に主力艦を率いて来日しますが交渉がうまくいかなかったため琉球へ戻ります。二度目の来日も琉球王国を経由しており、その際には日米和親条約を結びます。このようにペリーさんは琉球王国を足場にして日本と交渉を行っていたのです。

このとき、ペリー艦隊に随行した学者らが沖縄の植物を採取しており、そのときの標本が今もアメリカのスミソニアン研究所やハーバード大学、ニューヨーク植物園に学術標本として保管されているそうです。

今回の講演会では、ペリーさんたちが採取した植物標本を使った研究や、沖縄の植物がどこからやってきたのかその起源を探る研究、クワズイモを使った光合成に関する研究が紹介されました。

改めて沖縄の歴史と自然について興味を深める時間となりました。今回聴講した内容をツアーでもお話できるように調べておこうと思います。ぜひお楽しみに。

 

泊の外国人墓地にペリー来航の記念碑があるそうなのですが、そこにボスが行きたがっています。いつでも行ける距離だけど、なかなか行かない場所なのですが、ちょっと足を運んでみようかな。

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夏休みの終わりに、沖縄の干潟へ出かけて子どもたちと海の生物探しに興じる!!

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沖縄県地域環境センター(沖縄こどもの国チルドレンズセンター1F内)の主催で、先日8月20日、恩納村の干潟にて「海の生き物観察会」が開催されました。

この観察会に弊社のメンバーも講師として参加して来たので、その模様をお伝えします。

 

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講師陣はこちら。

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「しかたに自然案内」の鹿谷麻夕さん

「しかたに自然案内」を運営し、沖縄における海洋・生物教育啓蒙活動を行ってらっしゃいます。

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そしてキュリオス沖縄の仲栄真礁君

そして我らがキュリオス沖縄の仲栄真君。

私宮崎は、もっぱら写真を撮るというポジションで参加しました。

また、沖縄こどもの国のスタッフさま方(集合写真撮り忘れましたorz)がイベントのお膳立てから会場設営、当日の安全管理まで担当してくださいました。

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まずは、事前学習が行われる恩納村ふれあい学習センターの教室にて打ち合わせ。

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集合時間の13:30になり、続々と参加者が集まってきます。この日の参加者は全体で30名ほど。

ここで一通り危険生物・熱中症への注意喚起、観察の際のポイントなどについてレクチャーが行われました。

干潟の生物観察に行く際の注意点をごく簡単に挙げると、

  • 熱中症対策をしっかり(帽子、首にタオル、水分をこまめに補給)
  • サンダル厳禁(後述します)
  • 危険生物に関する知識をある程度身につけていく
  • サンゴ、そしてなるべくなら海草も踏まないように歩く
  • ひっくり返した石は必ずもとにもどす

こんなところでしょうか。

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レクチャーが終わり、いよいよセンターの裏の干潟海岸へ!…観察会にクバ笠って、渋い。

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皆さん、足元はバッチリでした。

海というとビーサンや草履で行く人が多いですが、こと足元が岩場だったり、転石がごろごろしてたりという海岸では岩で足を切ったり、生き物の棘に刺されたりというリスクがあり大変危険です。

こういう場所での生物観察に一番いいのはフェルト底のマリンブーツですが、底がしっかりした運動靴でも十分代用できます。詳しくはこちらをご覧下さい。

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さて、先陣を切って生き物を探してくれていた子が探してくれたこの生き物、なんだか分かります??

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この写真と次の写真は別の日に撮影

裏返してみたら分かりやすいでしょうか。これ、イソアワモチという「殻のない貝類」です。

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こんな感じで岩にひっついています。

殻がない、というだけでもヘンな奴ですが、実はこの貝、肺で直接空気を呼吸します(多くの海産の貝類はエラ呼吸のみ)。さらに、呼吸をするための穴が肛門の後ろに空いています。

海辺で見かけたら、是非おしりの辺りを覗き込んでみて下さい。

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こちらはナマコの仲間のオオイカリナマコ。

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こちらも別の日に撮った写真

たいへん長くなるナマコで(2mぐらい)、サンゴ礁の浅い砂地やアマモ場に多く生息しています。

体はぶよんぶよん(大部分が水)で、おまけに触ると手にひっつきます。ぱっと見、粘着しているようにも見えますが、実はこれは体の表面にあるカルシウムの棘(骨片)が引っかかっているのです。この骨片が錨(いかり)の形をしているので「イカリナマコ」という名がついた、といわれています。

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ちょっと遠目で分かりづらいですが、こちらはソデカラッパというカニ。カラッパが見つかったら面白いね〜なんて話をしながら歩いていたら、なんと一人の男の子が見つけてくれました!

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これも別の日に撮った写真

?これのどこがカニなんだ?という形をしています。DSC04286

ひっくり返すと分かりやすいでしょうか。なんというか甲羅の左右が張りだして脚を覆うアーマー(鎧)みたいになってます。そして左右のハサミはその甲羅と完璧につながるようなデザイン。

上の写真でカニの右(カニから見て右)のハサミに奇妙な白い突起があるのが分かるでしょうか。またの機会に詳説しますが、実はカラッパ類はこの突起を支点にして巻き貝類を「缶切り」の原理でバリバリと割って食べるのです。

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ちなみにこちらは鹿谷さんのグループ。

事前の班分けで「生き物を探してガンガン行く組(弊社仲栄真)」と「のんびり行く組(鹿谷さん)」とに分かれたのですが、結局どちらのグループも生き物を目にすると「もっと探そう!」とガンガン前に進んでしまう感じでした。

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岩をどけて生き物を探す。ひっくり返した岩は、そーっと元通りに!

しかし、子供たちの生き物を見つける速度の素早いこと。弊社仲栄真、そして私も普段から海の生き物を探し慣れているはずなのですが、この日解説した生き物の半分くらいは子どもたちが先に見つけてしまいました。

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こちらはカワテブクロというヒトデの仲間。腕が冗談のように太いですね。

かなり暑い日で、2時間ほどで海岸での生き物観察は終了。参加した子どもたちには大変楽しんでくれたようで、「来年も来たい人〜?」との問いかけに全員挙手してくれました。

鹿谷さん、仲栄真君、お疲れ様です。企画を立てて色々お膳立てしてくださった子供の国の皆様、ありがとうございました!

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おまけ。ホワイトボードに海の生き物を描いてウェルカムボード的なものにしよう!ということで描き始めたものの、いつのまにか「うろ覚えイラスト大会」になってしまいました。

(宮崎)

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植物で遊ぼびまくろう!理科の先生のための「理科であそ部」第5回

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キュリオス沖縄が協力している理科の先生向けのイベント「理科であそ部」第5回の様子をご紹介します。

「理科であそ部」とは(Facebookページはこちら

「理科であそ部」は、身近なところにひそむ科学を遊びながら学ぼうというコンセプトのもと、教員や科学教育に携わる人たちが集まって活動しています。自分の中の「科学の扉」が開けると、今まで見ていた世界と全く違った世界が見えてくるはず!教材や授業ネタを提供しあって、明日からの授業がレベルアップを目指します!

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と言っても今回の「先生オブ先生」はキュリオス沖縄のメンバーではなく、若き現役高校教員の中村元紀先生!中村先生のレクチャーのもと、今回は沖縄の身近な植物でとことん遊ばせてもらいました!(以下クォーテーションの中は、中村先生のしゃべった内容をうろ覚え&ダイジェストで再生)

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そして今回も、若手を中心に多くの県内の教員の方々が集まり。休日にもかかわらず…!

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一番手前の葉っぱは、沖縄県内の方には馴染み深いのではないでしょうか。

机には開始時点でいろいろな植物の葉や枝が山盛りにされています。さながらサラダバイキングの様相ですが、何に使うのかな…?

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植物というと「動かない」「普段、風景としか見ていない」ゆえに、特に子供たちや若い方にとって、興味の対象になりにくいという側面があります。しかし、そこは「見せ方」次第です。

ほう!
というわけで、まずは見て触ってにおいを嗅いで、五感で感じてみました。

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初めは無理に名前を覚える必要なんて全くなくて、「そうそう、これはこんな奴だった!」という印象に残る形で植物との「関係」を築きます。「くさいやつ」「ザラザラしてるやる」「白い汁が出るやつ」そんなんでいいんです。

おー、ざっくりしてるな(笑)でも言われてみればなるほど。ドクダミの匂いとか久々に嗅ぐと、ものっそい勢いで少年時代とか思い出しますもん。

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そうやって自分が「馴染みになった」植物に街中や公園で出会うと、とたんに親近感が湧いてきます。「お前、ここにもいるじゃんよ…!」みたいな。

子供たちにそれを感じてもらうためには、まずは先生が植物で遊び倒さなくてはなりません。分厚い理論書とかはひとまず脇に置いて、自分が体験者となりましょう。

というわけで、僕らも参加者となり植物を嗅ぎまくりーの、触りまくりーのしました。

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ちなみにこちらはゲッキツ Murraya paniculataというミカンの仲間の葉。鳥が種を運ぶので、県内だと庭先に森の中に、どこにでも生えているそうです。

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ちぎって匂いをかいでみると、ほのかに柑橘系の香りがしました。最近はブレンドしてお茶としても利用されていますね。ちなみにゲッキツ、これ全体で「1枚の葉」だそうです。

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モクマオウ Casuarina strictaの葉

こちらはあちこちの海岸で見かけるモクマオウの葉。一見マツの葉にも似ていますが、マツが裸子植物なのに対して、モクマオウは実はれっきとした被子植物の仲間だそうです。

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この茶色い小さな突起一つ一つが「葉」とのこと。「1枚の葉」と言っても、植物によってその形は想像以上に多様ですね!

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サラダバーではありません

さて、お次はイチジクの仲間(イチジク属 Ficus)の植物の仲間の葉っぱ7種を見分けてみます。

机の上には、山盛りになっているのがゴチャ混ぜになった7種の葉っぱ。こ、これを全部分けるだと…?

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ここに「ガジュマル」「イヌビワ」「ホソバムクイヌビワ」「オオバイヌビワ」「ハマイヌビワ」「アコウ」「オオイタビ」の7種の葉っぱが混じっているとのこと。イチジクの仲間と言われるとピンと来ないかもしれませんが、沖縄で最もよく見かける「ガジュマル」も実はイチジクの仲間です。

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ぱっと見、カードバトルをやってるようにも見えます

漠然と見ていると分かりにくいですが、葉脈や葉っぱの縁の形状、葉のサイズや触ったときの質感などに注目して、

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ああでもない、こうでもないと分けていくこと10分ほど。

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なんと、全班がほぼ正しく分類することができました。

人間の認識能力ってすごい!…というか、もともと人間の認識に則って生物を種類分けしていくのが「分類」で、「分類したがる」というのは人間の性(さが)のようなものなのでしょうね。

ここでちょっと屋外に出ることに。

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会場となった琉球大学の教育学部の周りだけでも、実に多くの種類の植物が見つかります。

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持ち帰ったイチジクの仲間(イヌビワ)の花(実)を割って、顕微鏡で見てみましょう。

何が出るんでしょう。中身、美味しそうだといいな。wktk(わくてか)しながら実を割ってみました。

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うぎゃーーー!!

出てきたのはこんなハチの仲間のイヌビワコバチ Blastophaga nipponica  ハチと言っても人を刺すことはない昆虫だそうです。

このハチはたまたま入っていたわけではなく、イヌビワの花粉を運ぶ手助けをしています。またこのハチも、イヌビワの花がないと繁殖できません。

イチジクの仲間には、それぞれの種類に「専属」のイチジクコバチの仲間がいて、もっぱら花粉の運搬をその1種類のハチに頼っています。

なにその独占契約。一体どうやって成り立ったの…?

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こういうのは本で読んで知るよりも、実際に実を割って中からわらわらとハチが出てくるところを観察した方が絶対に印象に残りますね。

こんな感じで、今回の「理科であそ部」も超楽しませてもらいました!!中村先生、琉球大学教育学部の皆さん、ありがとうございます!!

 

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大気圧を使って遊ぼう!理科の先生のための「理科であそ部」第4回

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沖縄科学技術教育研究会主催、キュリオス沖縄が協力させていただいている学校の先生向けのイベント「理科であそ部」が第4回を迎えました。今回はその様子をリポートします。

「理科であそ部」とは(Facebookページはこちら

「理科であそ部」は、身近なところにひそむ科学を遊びながら学ぼうというコンセプトのもと、教員や科学教育に携わる人たちが集まって活動しています。自分の中の「科学の扉」が開けると、今まで見ていた世界と全く違った世界が見えてくるはず!教材や授業ネタを提供しあって、明日からの授業がレベルアップを目指します!

今回は、目に見えないだけに実感を伴って理解させるのが難しい単元「大気圧」について。

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今回の講師は、佐藤さん(右)と、キュリオス沖縄のメンバーではありませんが、琉球大学教育学部出身の宮城さん(左)

「大気圧はどのような方向に働いているか?」というテーマで、様々な実験をしていきます。学校の授業だと一度にやる実験は1つか、多くて2つか3つですが、この会では一挙に5つも6つも実験をやります。実験好きにはたまりません。

「勉強会」という雰囲気ではなく、どちらかと言うと「大人たちの休日の部活」って感じでした。ただ、講師の方々の実験の分かりやすさやインパクトの工夫については、毎回目を見張るものがあります。

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こちらは減圧によって缶コーヒーの中身を出し、加圧によってもどす実験。

道具はあまり特別なものは使用せず、百均かスーパー、悪くてホームセンターで手に入るものばかりだそうです。

特別な機器を使っているからそうなるんじゃない?と思われてしまうような「子供たちにとってのBlack Box」を作らないことを是としています。

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大気圧の強さを実感する装置(ゴムシート+なべぶたの取っ手)

平らな床に無造作に置くだけで、上からの大気圧により、取っ手を持って真上に持ち上げるのがほぼ不可能になります。

うそん!と思って持ち上げてみましが、微動だにせず。。

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こちらは厚手のボウルに取っ手をくっつけたもの

 

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中でエタノールを燃焼させて冷やすと…

 

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はい、どんなに引っ張っても外れません!

これが「マクデブルクの半球」ってやつです。理論上これを真っ向から引っ張って外すには数百キロの力が要ります(多分取っ手の接着かボウルが耐えられませんが)。

17世紀のドイツでオットー・フォン・ゲーリケという人物により行われた有名な実験ですが、当時はかなり大きな半球を作り、16頭の馬で左右から引っ張ってやっと外れたという記録が残っています。

宮崎も引っ張ってみましたが、マジで外れませんでした。外すときは胸に抱いて左右の半球に別々に上下から「えいやっ!」と力をかけるそうです。

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こちらはペットボトルの中に雲をつくる実験。

炭酸飲料の入っていた耐圧のペットボトルにゴム栓をして自転車の空気入れでシュコシュコと空気を入れ加圧します。

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急に栓を抜くと、ご覧のとおり

おぉ、「ポン」という音とともにペットボトルの中が真っ白になった!

急な減圧で温度が低下し、空気中に溶けきれなくなった水蒸気が微小水のつぶ(=雲)になります。減圧→温度低下&飽和水蒸気量減少→凝結という自然界の雲ができる仕組みを擬似的に再現しています。

あ、よく間違いちゃいますが「水蒸気」は気体の状態の水で、目に見えません。目に見える「雲」や「やかんの湯気」は、液体の状態の細かい水のつぶです。

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水を少し入れたアルミ缶を加熱して…

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冷水に漬けたとたんにもの凄い音がしてぺしゃんこ!

こういうのって、知識としては多くの大人が知っていることだと思いますが、大切なのは「体験して」「おどろいて」おくこと。上の缶の実験、空き缶が「ペコッ」って潰れるとこを想像した人、いません?

確かに!「ペコッ」と潰れると思っていましたが、明らかに「ペコッ」ではなかったです。実際は擬音化するなら「どばしゅッ!!!」という短い轟音とともに潰れてました。

学校で「大気圧」という単元に入るとき、その威力の凄まじさを感じる実験をやっておくと俄然、「なんでこうなるんだろ?」という疑問への誘導がしやすくなります。

というわけで、今回の「理科であそ部」もめちゃくちゃ楽しかったです。先生方にも大好評だった模様。佐藤さん、宮城さん、ありがとうございます!

(by 宮崎)DSCF0284

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