台風13号。そして気になる海水温。

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昨日は雨音で目が覚めて天気をチェックすると熱帯低気圧が台風になりそうとの予報。その後、予報通りに台風となり、足早に沖縄本島近海を通過。

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気象庁の台風情報より引用。http://www.jma.go.jp/jp/typh/1613l.html

 

特にツアーの予定はなかったのですが、打ち合わせが何件か入っていたので窓の外が気になる一日でした。

今年の沖縄は全く台風が来ないために海水がかき混ざらず、表層の海水温が上昇し続けていました。そのため、サンゴの白化(サンゴの体内に共生している褐色の藻類がいなくなり、白色の骨が透けて白くみえるようになる)が大規模に起こるのではないかと心配されていました。最近は連日のように新聞やテレビでも報道されていますね。

2016, 08, 27 日本最大のサンゴ礁が白化 専門家「沖縄のサンゴ半数以上死滅の恐れ」 | 沖縄タイムス+プラス

2016. 08. 29 サンゴ:白化9割も…海水温上昇で 国内最大「石西礁湖」 – 毎日新聞

2016. 08. 29 サンゴの白化拡大、98年以来の被害か 沖縄・鹿児島:朝日新聞デジタル 

2016. 09. 01 石西礁湖、慶良間、本部、恩納…サンゴ白化拡大 – 琉球新報 –

2016. 09. 05 鹿児島:奄美サンゴ白化 海水温高く大浜海浜公園の8割 – 毎日新聞 

2016. 09. 05 サンゴの末期、悲しい輝き 沖縄「白化」の海に記者が潜った | 沖縄タイムス+プラス

キュリオス沖縄でも7月31日にツアーで使用している恩納村のフィールドでサンゴの白化を確認していたので、記事中に何度か取り上げられているサンゴマップに投稿しました。

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藻場のシコロサンゴ、タイドプールのハマサンゴでは全体が白化してる群体が多く見られました。

 

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リーフエッジ付近は特にミドリイシが顕著に白化。ほとんどが群体全体が白化していました。

 

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エッジ付近の礁原では白くなったミドリイシが目立ちました。

 

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とはいえ全然白化していないハマサンゴもいました。タイドプールごとに環境が異なっているようです。

 

今回の台風13号は沖縄のダイバー、サンゴ研究者、海に関わる人々にとっては待望の台風?と思いきや、この台風が来る前にすでに水温が下がってきていました。

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こちらは7月1日、15日、31日の沖縄近海の水温。だんだん水温が上がっていきました。気象庁の日別海水温より引用・改変。http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html?areano=3

 

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こちらは8月1日、15日、30日、そして9月5日の海水温。段々下がってきていますね。

 

どうやら8月19日・20日あたりから下がり始めたようです。とはいえまだまだ水温は高いままですので、今回の台風13号が海をかき混ぜてくれることを期待したいですね。このまま下がっていくといいのですが・・・。

 

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まだまだ夏の干潟ツアー

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昨日は午後から恩納村で干潟ツアー。

大阪からお越しのご家族と県内から参加のご夫婦の二組をご案内。9月に入り、朝晩は涼しい風が吹くようになった沖縄ですが、日中はまだまだ夏。熱中症に気をつけながらあっという間の2時間をお過ごしいただきました。

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iPhoneアプリで360°写真を撮影。広大な海草藻場が広がるフィールドです。

この日はエントリーしてすぐの岩場でシオマネキの仲間やイソアワモチ、ヒザラガイなどなど、子どもたちが歩けば何かを見つけてじっくり観察モードでスタート。

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ルリマダラシオマネキ

 

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ソデカラッパ発見!ハサミ脚が片方なかった・・・。

 

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砂浜で小さなアオヒトデを発見。

海草藻場にたどり着いたら今度はカニ、ナマコがフィーバー。岩礁帯ではサンゴの蛍光を観察しました。飽きるほど生き物を観察して今回もツアーを無事に終えました。。

夏の暑さが続く沖縄ですが、水分補給を忘れずにまだまだ夏を楽しみたいですね!

 

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夏休みの終わりに、沖縄の干潟へ出かけて子どもたちと海の生物探しに興じる!!

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沖縄県地域環境センター(沖縄こどもの国チルドレンズセンター1F内)の主催で、先日8月20日、恩納村の干潟にて「海の生き物観察会」が開催されました。

この観察会に弊社のメンバーも講師として参加して来たので、その模様をお伝えします。

 

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講師陣はこちら。

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「しかたに自然案内」の鹿谷麻夕さん

「しかたに自然案内」を運営し、沖縄における海洋・生物教育啓蒙活動を行ってらっしゃいます。

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そしてキュリオス沖縄の仲栄真礁君

そして我らがキュリオス沖縄の仲栄真君。

私宮崎は、もっぱら写真を撮るというポジションで参加しました。

また、沖縄こどもの国のスタッフさま方(集合写真撮り忘れましたorz)がイベントのお膳立てから会場設営、当日の安全管理まで担当してくださいました。

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まずは、事前学習が行われる恩納村ふれあい学習センターの教室にて打ち合わせ。

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集合時間の13:30になり、続々と参加者が集まってきます。この日の参加者は全体で30名ほど。

ここで一通り危険生物・熱中症への注意喚起、観察の際のポイントなどについてレクチャーが行われました。

干潟の生物観察に行く際の注意点をごく簡単に挙げると、

  • 熱中症対策をしっかり(帽子、首にタオル、水分をこまめに補給)
  • サンダル厳禁(後述します)
  • 危険生物に関する知識をある程度身につけていく
  • サンゴ、そしてなるべくなら海草も踏まないように歩く
  • ひっくり返した石は必ずもとにもどす

こんなところでしょうか。

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レクチャーが終わり、いよいよセンターの裏の干潟海岸へ!…観察会にクバ笠って、渋い。

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皆さん、足元はバッチリでした。

海というとビーサンや草履で行く人が多いですが、こと足元が岩場だったり、転石がごろごろしてたりという海岸では岩で足を切ったり、生き物の棘に刺されたりというリスクがあり大変危険です。

こういう場所での生物観察に一番いいのはフェルト底のマリンブーツですが、底がしっかりした運動靴でも十分代用できます。詳しくはこちらをご覧下さい。

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さて、先陣を切って生き物を探してくれていた子が探してくれたこの生き物、なんだか分かります??

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この写真と次の写真は別の日に撮影

裏返してみたら分かりやすいでしょうか。これ、イソアワモチという「殻のない貝類」です。

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こんな感じで岩にひっついています。

殻がない、というだけでもヘンな奴ですが、実はこの貝、肺で直接空気を呼吸します(多くの海産の貝類はエラ呼吸のみ)。さらに、呼吸をするための穴が肛門の後ろに空いています。

海辺で見かけたら、是非おしりの辺りを覗き込んでみて下さい。

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こちらはナマコの仲間のオオイカリナマコ。

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こちらも別の日に撮った写真

たいへん長くなるナマコで(2mぐらい)、サンゴ礁の浅い砂地やアマモ場に多く生息しています。

体はぶよんぶよん(大部分が水)で、おまけに触ると手にひっつきます。ぱっと見、粘着しているようにも見えますが、実はこれは体の表面にあるカルシウムの棘(骨片)が引っかかっているのです。この骨片が錨(いかり)の形をしているので「イカリナマコ」という名がついた、といわれています。

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ちょっと遠目で分かりづらいですが、こちらはソデカラッパというカニ。カラッパが見つかったら面白いね〜なんて話をしながら歩いていたら、なんと一人の男の子が見つけてくれました!

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これも別の日に撮った写真

?これのどこがカニなんだ?という形をしています。DSC04286

ひっくり返すと分かりやすいでしょうか。なんというか甲羅の左右が張りだして脚を覆うアーマー(鎧)みたいになってます。そして左右のハサミはその甲羅と完璧につながるようなデザイン。

上の写真でカニの右(カニから見て右)のハサミに奇妙な白い突起があるのが分かるでしょうか。またの機会に詳説しますが、実はカラッパ類はこの突起を支点にして巻き貝類を「缶切り」の原理でバリバリと割って食べるのです。

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ちなみにこちらは鹿谷さんのグループ。

事前の班分けで「生き物を探してガンガン行く組(弊社仲栄真)」と「のんびり行く組(鹿谷さん)」とに分かれたのですが、結局どちらのグループも生き物を目にすると「もっと探そう!」とガンガン前に進んでしまう感じでした。

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岩をどけて生き物を探す。ひっくり返した岩は、そーっと元通りに!

しかし、子供たちの生き物を見つける速度の素早いこと。弊社仲栄真、そして私も普段から海の生き物を探し慣れているはずなのですが、この日解説した生き物の半分くらいは子どもたちが先に見つけてしまいました。

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こちらはカワテブクロというヒトデの仲間。腕が冗談のように太いですね。

かなり暑い日で、2時間ほどで海岸での生き物観察は終了。参加した子どもたちには大変楽しんでくれたようで、「来年も来たい人〜?」との問いかけに全員挙手してくれました。

鹿谷さん、仲栄真君、お疲れ様です。企画を立てて色々お膳立てしてくださった子供の国の皆様、ありがとうございました!

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おまけ。ホワイトボードに海の生き物を描いてウェルカムボード的なものにしよう!ということで描き始めたものの、いつのまにか「うろ覚えイラスト大会」になってしまいました。

(宮崎)

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「藻場」はなるべく踏むべからず!沖縄で海を歩く際はご注意を。

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「藻場(もば)」

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海藻や海草が一面に生えている場所をこう呼びます。紛らわしいですが、「モバゲー」等のモバは「モバイル」のモバであって藻場ではありません。

海藻と海草の違いは?

どちらも読みは「かいそう」です(海草の方は「うみくさ」と読む場合も)。

「海藻」の方は藻類(そうるい)と呼ばれる植物を指します。藻類とは簡単に言うと、花を咲かせず胞子で殖える植物の仲間で、体のつくりは単純で、根・茎・葉の区別はありません。「緑藻」や「紅藻」「褐藻」などいくつかのグループに大別されます。

身近なところではコンブやワカメなど。ローカロリーでうれしい「海藻サラダ」に入っているアレですね。岸近くで藻場を形成する海藻としてはホンダワラやカジメ、アラメなどが有名です。

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イソスギナ Halicoryne wrightiiこちらは藻類の仲間。

これに対して、「海草」は花を咲かせ種をつくる植物(被子植物)の仲間です。

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リュウキュウスガモ Thalassia hemprichii

海藻には「根」「茎」「葉」の区別がありませんが、海草にはちゃんとあります。

関東に多いのはアマモやコアマモ、沖縄だと一番多いのはおそらくリュウキュウスガモではないでしょうか。岸近くの砂地、特に河川があって陸からの栄養分が適度に流れてくる場所に多く育ちます。

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一面の海草藻場(うみくさもば)

海草はどっから来た?

植物の祖先も、最初は海で誕生・進化し、その後一部のグループが進化の過程で陸上に上がったと考えられています。

コケ→シダ→維管束植物の順に進化(分岐)した年代が新しいとされていますが、この順番は、より陸上に適応していく過程でもあります。端的に言えば、古いグループ方が乾燥に弱いのです。森の中がコケで覆い尽くされた屋久島なんて、「年400日雨が降る」と言われていますよね。ちなみに「藻類」は、そもそも陸上に上がらなかったグループの一つです。

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コケ植物の多くは湿潤な環境を好む。やんばるにて。

ところが「海草」の仲間は一度陸上に適応したのち、海に戻った変わり者の植物です。哺乳類でいうところのイルカやクジラみたいなイメージでしょうか。

海草藻場を見つけたら

さて、沖縄も海が楽しい季節になりましたが、サンゴ礁や砂浜を歩いていてこのような海草が茂っている場所を見つけたら、なるべく踏まないようにお願いします。多くの人によって踏み荒らされると枯れてしまいますので。

ただ、藻場は生物観察をするならうってつけの場所でもあります。

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カマスベラの幼魚と思われる

分かりますかね?定規に右下にいる緑色の魚。カマスベラという魚食性のベラの幼魚です。

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イッカクガニ Menaethius monoceros

そこそこの大きさの藻場があればたいてい、こんな感じで緑色をした生き物やいろいろな魚の幼魚などが隠れ住んでいます。詳しくはまともな写真が揃ってから特集しようと思いますが、この他にも小型のイカの仲間やモエビの仲間、イソギンチャクの仲間など「藻場」にしか出てこない生き物がわんさかいます。

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(宮崎)

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