危険?そうでもない?見かけてもそっとしておこう「ヒメハブ」

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やんばる(沖縄本島北部)の水場やその近くで最もよく遭遇するヘビがこのヒメハブ Ovophis okinavensisです。

沖縄で「太くて短いヘビ」を見かけたらヒメハブ

太短い体型が特徴で、体の色は変異がありますが、赤っぽいこげ茶色のものが多いようです。

ハブやサキシマハブなどとは少し違う仲間(ヤマハブ属)に分類されます。

沖縄の言葉で「ニーブヤー」(意訳:いつも眠そうにしている怠け者)と呼ばれるように、昼夜問わずじっとしていることが多く、あまり動き回りません。

ヒメハブの危険性は?

ヒメハブも、毒ヘビには違いありません。

これは体のつくりや性質を見ても明らかで、毒を使わずに狩りをするヘビは体も長く、もっとずっと筋肉質で素早いです。

ヒメハブの毒の毒性は、少なくとも人に対してはハブと比べてずっと低いと考えられ、またハブに比べると攻撃性も低いことから、山や畑作業に慣れた人には軽視されがちです。

ですが、2本指の欠けた手を見せながら「農作業をしていて咬まれて、放置していたら指が壊死してしまった」というお話をしてくださった方もいるので、あまり軽視しすぎない方がいいでしょう。

基本的に距離を保って観察する分には、向こうから近付いてくることはありません。

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また、枯れ葉にまぎれる体色や動かない性質から「いても気づきくい」ため、誤って踏んづけて咬まれないように注意が必要です。

万が一咬まれた場合は、慌てなくてよいので必ず病院を受診しましょう。

カエル食いのヒメハブ

ヒメハブはカエルが大好物…というより、餌のほとんどをカエルに頼っているそうです。

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沢の浅瀬につかるヒメハブ

普段は沢など水場のそばにいますが、雨が降ってカエルが活発に動き回るときは一緒に道路などに出てきます。

夜の沢やカエルの繁殖期の水場に入ると、何個体も目撃することができます。

ヒメハブは見つけてもそっとしておこう

沖縄では、ヘビを見かけると殺そうとする人もいます。

ハブの個体数が多く、ハブによる咬傷が絶えなかった時代は生活の知恵の一つだったのかもしれません。

しかし、今やハブの個体数はやんばるでもそれほど豊富ではなく、人家の敷地内に出た場合などを除いて殺す必然性はありません。

ヒメハブにいたっては、上に書いた通りもともとあまり危険性の大きなヘビではありません。

ヒメハブを見かけたら、侮らず適度な距離を取ってじっくり観察してみましょう。

ちなみにヒメハブは、世界中で沖縄諸島と奄美群島のみに生息する固有種です。

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夜の沢で見かけたヒメハブ。珍しく最初から攻撃態勢

沖縄キャリア教育EXPO2016に出展しました!

2016年12月23日に沖縄女子短期大学で開催された沖縄キャリア教育EXPO2016(主催:有限会社オーシャン・トゥエンティワン)に出展しました。

キュリオス沖縄は、会場内に設置された体験展示「多様な学びとの出会い」という企画に参加・出展。これまで活動してきたツアーや展示イベントの中で見られた子どもたちの学びについて紹介させていただきました。また、いつものようにちょっとしたハンズオン展示も行いました。

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今回の展示企画の主旨。

 

今回この体験展示全体は、仲栄真が以前よりお世話になっているてぃあんだぁクラブの佐渡山要先生が中心になって企画しており、子どもたちに自然体験を提供している団体としてキュリオス沖縄にお声がけいただきました。展示会場にはいくつかの団体がそれぞれの活動紹介を行っており、会場内は企画タイトルの通り、様々な子どもたち・ご家庭に対する多様な学びの機会を表す場となっていました。

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ホームスクール@おきなわさんのホームスクーリングサポートのカテゴリー。いろんな団体と協力して多様な学びの場を作っていました。「自然教室」のところにキュリオス沖縄の名前もいれていただきました。

 

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キュリオス沖縄のブース。ツアー中に見られた子どもたちの学びの一例をご紹介させていただいました。

 

私たちのブースでは、ツアー中に見かける「生き物が苦手な子」が実際の生き物に触ってみるという挑戦について一例を取り上げました。苦手な生き物に触ってみるという体験の中で自信をつけたり、苦手だった生き物について興味をもつ過程について紹介させていただきました。

 

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県内人工ビーチの砂、浜松にある中田島砂丘の海岸の砂を展示。海岸の砂もいろいろ違いがあります。

 

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オキナワアマビコヤスデにブラックライトを当てると・・・。前日に別の企画で使用したついでにお持ちしました。

 

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蛍光が観察できます。蛍光の役割についてはよくわかっておらず、そもそも意味などない、という話もあります。

 

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カタツムリの殻をよく観察したことはありますか?種類によって殻の形がどう違うのか、見比べてみるとなかなか発見があっておもしろいです。

 

多くの方にご来場頂き、キュリオス沖縄の紹介だけでなく、県内の教育事情についてもいろいろと情報交換をすることができました。

また、イベント中に企画されていたシンポジウムにも最後に参加することができました。多くの方が沖縄の子どもたちの未来を考えて熱心にキャリア教育へ取り組まれているのだと実感しています。

キュリオス沖縄もより一層、沖縄の教育へコミットできるよう、企画していきたいと思います。

 

(仲栄真)

世界自然遺産登録を目指す「やんばる」の山に、県内の参加者と登ってきました!

前回、天候不順のために山に入れなかった県内参加者向けのやんばるツアー。

今回は天候にめぐまれ、存分に山を堪能することが出来ました!

昼からのツアーなのでまずは大宜味の道の駅で腹ごしらえ。

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時期限定かもしれませんが、ここ大宜味の道の駅の食堂では水の代わりにシークワーサー水がピッチャーで飲み放題です(写真右上)。「◯◯の天然水」とか「◯ろはす」とかより濃くてしかも甘くなく、なかなか美味しかったです。

さすが、柑橘の里おおぎみ!

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山に登る峠道は「ススキロード」と化していました。7-8分ほどの峠道を登って登山口の駐車場へ。

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今回の参加者は16名あまりと、やや大所帯でございます。

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登山道の入り口に咲いていたサキシマフヨウ(アオイ科)。もうそろそろ花も終わりかけで、代わりに綿毛をつけた種がいっぱい詰まった果実も見られました。

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いざ入山。

登山道に入ると、湿度が一気に高くなるのが分かります。

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ツワブキ(キク科)の黄色い花がたくんさん咲いていました。沖縄ではこの花が咲くようになると、いよいよ本格的に冬の到来です。

ちなみにツワブキの花はキク科の花らしい清々しい香りがします。嗅いだことがない方はぜひ。

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こちらも冬の花、アリモリソウ(キツネノマゴ科)。

うつむき加減に咲きます。一見真っ白な花ですが、花の中をのぞきこむと赤紫色の模様が見えます。

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種類の分からないキノコ。

枯れた樹、弱った樹の材の中には、菌類の菌糸が入り込みはびこって分解を加速させていきます。倒木はキノコを含む菌類のパラダイスになり、そららを食べにカタツムリの仲間なども集まってきます。

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アオミオカタニシ。きれいな緑色をしていますがこれは実(肉)の部分の色で、殻は無色の半透明です。

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途中の広場で休憩。

今回のツアーは、沖縄県が「奄美琉球」の世界自然遺産を目指していることを県内のみなさまに普及啓発することが目的でもあるので、そのへんのお話もしました。

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さらに石段の登山道を登っていきます。

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お子さんが見つけて大喜びしたナナホシキンカメムシ。虫がやや少なくなったこの季節でも安定して見られるいい昆虫です。匂いはアレですが(キュウリの青臭い匂いを濃縮して強烈にしたような感じです)。

葉の裏に集団で止まっているところも見かけました。

 

バージョン 2

ようやく尾根に到着。ちょっとガスってましたが、やんばるの山々と西海岸の海が一望できます。

頂上へは、ここからなだらかな尾根道を歩いてすぐです。

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アオノクマタケラン(ショウガ科)の実。ドキッとするほど赤いです。

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そして尾根沿いの道に咲いていたのがこのオキナワテイショウソウ(オキナワハグマ)(キク科)。

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花弁の先がくるんと同じ方向に捻れた、独特の花です。

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サイズはこんなもん。

尾根道を歩いてすぐ、山頂に到着します。しますが、ここの山頂はあんまり開けてないので、さきほどの尾根道に着いた時点ですでに登頂が終わったような感じです。

そして、参加者の方が山頂で見つけてくれた面白い植物がこちら。

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ナンバンギセル(ハマウツボ科)という寄生植物です。

イネ科の植物の根に寄生し、地上へは花茎(かけい)と花のみが出てくる、というとても変わった植物。葉緑体はないため、生きているときも茎は枯れたような色をしています。

その他、下山途中でシリケンイモリや、

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オキナワキノボリトカゲなど。

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気温的にも植物の装い的にもすっかり冬ですが、冬でもそれなりに温暖な沖縄ではこの季節も様々な生き物が活動を続けていました。

車道に出てしばらく行ったところでオキナワスズメウリ(ウリ科)が大量に実をつけているのを見つけました。

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可愛らしい実ですが、すさまじい繁殖力ではびこるので庭などに植える際は要注意です。

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最後に、オオバギの葉が切られくるんと丸まっているのを発見。

開いてみると、ハネナシコロギスの巣でした。

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こちらは別の日、夜間に撮影

夜になると葉の上などで獲物を待っていますが、昼間はこんな感じの巣をつくってその中に隠れています。

そんな訳で、とても充実した山歩きでした。

なお、今回のツアーと同内容のツアーは、弊社のこちらのガイドツアーにてご参加いただけます。

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やんばる山トレッキング !植物・昆虫をじっくり観察しながら、季節の山を歩く

所要時間:約3時間
<混合プラン> ¥6,000/1名様
<グループ貸し切りプラン> 1名様¥7,000(4名でお申し込み)〜¥9, 000(2名で〃)

日本サンゴ礁学会へ参加してきました。

12月1日から始まっていた日本サンゴ礁学会へ参加してきました。

といっても何か発表したわけではなく、情報収集やお仕事関係のごあいさつ、友人の研究発表を聴きに、といった感じでした。早く発表できるネタを用意したいところですね。

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サンゴ礁学会のホームページでニュースレターが無料公開されています。こちらに今回の学会中に発表された研究のタイトルなどが公開されています。

今回は2年ぶりくらいに参加でした。久しぶりにお会いする方々とごあいさつしつつ、初日は自由集会へ。自由集会とは、学会会員が自由にテーマを設定してそれに沿った発表者を集めて開くセミナーのようなものです。

最初に参加したのは地球科学分野と生物学分野の研究者の方々による自由集会でした。発表していた地球科学分野の研究者たちは、過去の気候や環境、サンゴがどのように生息していたのか過去の地球環境についての研究を発表していました。

現在につながる過去の環境・生態系を知ることは、現在を知る上でも重要なのです。

一方で生物学分野の研究者たちは、現在ではどんなサンゴがどのように生息しているのか、集団遺伝学や生態学、分類学の研究手法を用いて現在のサンゴ群集についての研究を発表していました。

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2日目はなんとか午後のポスター発表から参加。会場の都合で今回発表予定の半分しか見て回れず。3日目は北部でツアーがあったのでほとんど出れず。最終日は那覇マラソンを横目に口頭発表と一般公開イベント「北琉球におけるサンゴ礁、研究・保全の現状と課題」に参加していろいろとお話を聞いてきました。

 

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スタート直後のランナーの皆様

 

2日目に参加した自由集会は今年の夏に起こった大規模な白化現象について情報交換する場となっておりました。

ちょこっと映ってました(^_^;)

ここで話し合われたことは後日に学会から総括として公開されるとのこと。サンゴの白化現象を気象災害と捉えてはどうか?という提言や白化ストレスに強いサンゴ株の発見など、とても興味深い内容でした。

 

ドタバタとした週末になりましたが、新たな情報を得たり、久しぶりにお会いする方々にごあいさつできたのはとても良かったです。これからのツアーやフィールドの保全に活かしていきたいと思います。

雨だったのでウフギー自然館へ。

昨日は早朝に雨音で目が覚めてちょっとため息。というのも午後からやんばるでツアーの予定だったのです。

今回はとある事業の中のイベントということもあり、雨天時の代替プランへ切り替え。朝からドタバタと各所へ調整しながら向かった先は国頭村にある「やんばる野生生物保護センター ウフギー自然館」!

 

午前のうちに施設内の下見と案内の流れを確認し、ウフギー自然館のスタッフの方にごあいさつと簡単な打ち合わせ。そこから集合場所のおおぎみ道の駅へ。雨は止む気配なし。ですよねぇ。

時間になったので参加者と移動してウフギー自然館へ。本当は山の中に入るはずだったので、ちょっとしょんぼり気味な小学生もいましたが、中に入ったら時間いっぱい楽しんでもらえました。

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カウンターにあったヒトデや魚。ヒトデは作ってみたいですね。ブース展示などの際の飾りに良さそう。他にもキジムナーの歯ブラシ(!?)なんかもありましたよ。

 

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ホタルの提灯。テリハボクの実に穴を開ける&フタ部分をカットしてひもを通す。中に捕まえてきたホタルをいれて提灯にするそうです。割らずに穴を開けるのが大変そうだけど、来年はこれ作ってホタルツアーかな?

 

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400円で購入。協力金として保全活動や教育活動に活用されるとのこと。やんばるの生きものがイラストと文章付きで紹介されています。鳥類の情報が豊富そうだったのとイラストが可愛らしかったので購入。

 

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Instagramのレイアウトで編集してます。やんばるの四季。

お気に入りの展示はこれかな。季節の変化を自分で感じられるようになると心豊かに生きられるのではないかと思っております。館内には他にも音声や映像を使ったすばらしい展示が多数あるのですが、どたばたで写真を撮っておらず・・・。

展示の中にはロードキルや外来種問題を取り扱ったものもあり、普段のツアーではこういう問題についてはちゃんと話せてなかったなぁとちょっと反省。うまくお伝えできるように何か案を考えたいと思います。

館内では20分ほどのシアターでやんばるの自然を学べたりもします。子ども向けのクイズシートなんかもあるので楽しく学べること間違いなし。沖縄中南部にお住まいの方や、沖縄北部へ遊びに来た観光客の皆さまもぜひやんばる野生生物保護センター ウフギー自然館でやんばるの自然を学んでみてはいかがでしょうか。

<キュリオス沖縄の森ツアーもよろしくです!>

 

第9回モニターツアー実施しました!

11月20日に、キュリオス沖縄で毎月行ってきたモニターツアーの第9回を実施しましたので報告します。

朝9:30、那覇市末吉公園の駐車場に集合。

当日は時々パラパラと雨が降る天候で、派手に濡れるようなことはなかったのですが、代わりにかなり蒸し暑く「冬どこ行った?」という感じの気候。

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今回はお子様も2名参加です。大変ありがたいことに、業界の方にも来ていただけました。

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駐車場のモモタマナの樹から定期的に実が落下して僕らや参加者の方の車に「ガン」「ゴン」と当たります。よく見るとオオコウモリの歯型がありますね。

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それではGO!まずは駐車場入口の脇から高台に登っていきます。

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ハマビワの花が咲いてました。これは雄株ですね。

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参加者を差し置いてまずは観察です。

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皆さん大変熱心でした。

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さて、ずいずい登ってきます。

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ナナホシキンカメムシ発見。葉の裏にはもっとびっしり集合してました。

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興味津津ですが、カメムシ臭い…と触ろうとしません。

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…あらら、寄生蜂にやられたんでしょうね。クロツバメというガの幼虫。卵を産み付けられて、体の中で孵化した幼虫が成長して体を食い破って出て、蛹になって飛び去った後と思われます。

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…というお話をして参加者一同ドン引きの瞬間。

ちなみにクロツバメの幼虫は有毒なジャコウアゲハの幼虫に擬態して鳥の目を欺いていると考えられますが、もちろん寄生蜂にそんなの通用しません。

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クロツバメ、成虫もいました。前ばねは烏の濡れ羽色、後ばねはさらに青の金属光沢が乗り、大変に美しいガです。クロツバメをはじめとしたマダラガの仲間は、ガにもかかわらず昼間活動します。

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クサギ(アマクサギ)の花。

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この写真は別の日に撮影

雄しべ、雌しべともにとても長いのが特徴。

クサギの花は雄しべが先に成熟し、その後雄しべがしおれると雌しべが成熟する…という仕組みで自家受粉を避けています。

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実もついてました。

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こちらはタカナタマメの花とマメ。濃くも上品なピンク色です。

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「この花、マメ科の花として何かおかしくないですか?」との僕の問いかけに、「上下が逆さまなんじゃないでしょうか」

ドンピシャです。いやぁSさん、恐れ入りました。

タカナタマメやハマナタマメは花柄が反り返り、結果として普通のマメ科の花と上下逆に付きます。

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そして子どもたちは生き物を見つけるのが天才的に速いです。

こちらはヘリグロヒメトカゲ。

落ち葉の堆積しているところに住んでいて、アリやシロアリを食べて暮らしています。手足がたいへん短いのが特徴。

 

その後、高台から降りてちょっと住宅街を進み、民家の脇にある道から末吉宮を目指します。

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ナガマルコガネグモ。網にあるX字(半分しかなくてV字になってますが)の模様は「隠れ帯」と呼ばれていてクモが網を張った後に糸で編みつける模様です。

この隠れ帯の機能には諸説あり、外敵から身を隠すためだとか、クモが食べられないような大型の生き物がむやみに網に引っかかって壊さないようにとか、紫外線を反射して餌となる昆虫を引き寄せるとか言われていますがよく分かっていません。

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他にもシークワーサーの葉を日に透かして油点を見たり…

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迷蝶ルリウラナミシジミの後ばねを見つけてその美しさにみんなで関心したりしながら進みます。

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おっ、これはクサカゲロウの仲間の幼虫。

クサカゲロウは幼虫の時期は肉食で、捕食した虫の残骸とか糞とかゴミとかを背負ってカムフラージュしながら歩いています。

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おっ、こいつは…

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指下板をチェック。明かりに集まってきて鳴くヤモリとは別の「ミナミヤモリ」という種類です。

ヤモリは、吸盤で壁などにくっついているワケではありません。この指下板にミクロの毛が密生していて、なんとその毛と壁の間に生じる分子間力(ファンデルワールス力)によって貼り付いているのです。

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末吉宮も近くなってきた所で、コウシュウウヤク(イソヤマアオキ)という植物の上に…

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じゃん!

アケビコノハの幼虫を発見。

どこがどうなっているか分かりにくいですが、茎にぶら下がった状態で右側が頭を中にして「くるん」と丸まっていて、左が足(尾脚)をグッと持ち上げている状態です。

平気なフリをしてましたが、僕の「イモムシ嫌いセンサー」のメーターを振り切る存在。これは参加者の皆さんにも衝撃的だったみたいですね。

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さて、ここの景観を見せたかったのです。

大きなガジュマルがもともと付いていた岩から剥がれて地面に横たわっています(もちろん生きてます)。

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参加者の皆さんからも「那覇じゃない…」「那覇じゃないよね」と口々につぶやいていました。

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沖縄南部の典型的な植生が街中に残る、とても貴重な場所です。

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最後に末吉宮の石段のところまで登って、

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「ああ、やっぱり那覇だった」って言って、

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時間も押していたので急いで戻りました。

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かなり時間をオーバーしてしまい、参加者の皆様にはご迷惑をかけました。最初の高台のポイントも悪くはないですが、蛇足だったかもしれません。

お子様がいろいろな物に興味を持ってくれたのは本当に良かったです。

というわけで、参加して下さった皆様、ありがとうございました&大変お疲れ様でした!

外に出てみたら・・・

今日は他のスタッフが出払っていて自分ひとりだけ事務所で作業。

最近はいろいろとデスクワークに追われている日々なのですが、特に天気の良い日なんかはつらさ倍増ですよね・・・。

ということで今日はベランダに出て青空の下で作業してみました。

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事務所にまだ机がなかったときに実家から持ち出してきた明らかにビーパ用のテーブルとイス。

 

風が気持ち良いので作業も捗ります。(※注意:遊んでいるわけではありません。)

作業をしていると鳥の声が。真上を見上げるとなんか飛んでいる!

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iPhoneしかなかったので・・・。ぎりぎりわかりますでしょうか。

 

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なんとか判別できそう。

 

不鮮明ではありますが、おそらくミサゴ。海岸の近くに生息しており主に魚類を捕食します。5羽がぐるぐる旋回しながら東の方へ流れていきました。事務所は海の近くといえば海に近いので、まあ、見れるもんなんですね。

たまには違う場所で作業してみるのもいいなぁと、最近は部屋にこもりっきりな1日が多かったので外での作業は良い気分転換になりそうです。

 

(仲栄真)

沖縄市はやんばるの入り口?!トークイベントに行ってきました。

日曜日は午後から沖縄市郷土博物館へ。現在開催されている企画展「沖縄市の自然 やんばるの入り口」のサイドイベントとなるジョイントトークイベントに行ってきました。

今回のトークイベントでは、沖縄市郷土博物館学芸員の刀禰浩一さんと沖縄市を研究フィールドにしている沖縄科学技術大学院大学(OIST)の吉村正志さんが講演を行い、その後に会場からの質問に答えていく流れとなっていました。

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沖縄市郷土博物館より。サイドイベントの詳細はリンク先へ。野外での観察会などもあるようです。

 

刀禰さんの「なぜ沖縄市がやんばるの入り口なのか?」というテーマのお話はとても興味深く、沖縄市への印象が変わるほどでした。勉強不足なせいもあり、沖縄市の自然環境といえば「泡瀬干潟」がパッと思いつくくらいだったのですが、陸上の自然もすばらしく貴重なものだったんですね。

ちょっとだけネタバレすると、沖縄市北部の地質はやんばる地域と同じ名護層と呼ばれる地層が分布しているため、そこにはやんばる地域と共通する動植物が生息しています。イタジイ林やヒカゲヘゴ、オオシマトラフハナムグリ、コノハチョウ、イボイモリなどなど、やんばるで見られる生き物が多く生息しているそうです。なんだかやんばるが近くに感じてきますね。

 

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OISTの吉村正志さん。現在進行中のOKEON 美ら森プロジェクトについて紹介していました。

 

OISTの吉村さんは沖縄本島全域で行われているOKEON(Okinawa Environmental Observation Network)美ら森プロジェクトの紹介と「市民科学」の重要性についてお話していました。研究者にとって市民の皆さんが味方になることは心強いどころか、データ・標本の収集や解析など実務的にも大変重要であると熱がこもっていました。研究者だけでは広い範囲での定期的なデータ収集はとても難しいので、市民の皆さんの手を借りたい場合もあるのです。

講演後にも少しお話させていただきましたが、研究プロジェクトに対して単純にFacebookでいいね!したり、Twitterでリツイートしてくれるだけでも十分支援になり得るとのことでした。それだけ反響があればマスメディアが取り上げてくれるし、それによりさらに広くプロジェクトの意義を周知することができる、と。近年では研究費を広く一般から募るクラウドファウンディングで調達する研究者もいますしね。

現在は博物館や行政、県内の高校と連携してプロジェクトを進めているそうです。そういった研究プロジェクトを進めるためのシステムに関するお話もとても興味深かったです。

 

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講演してくださったお二人が会場からの質問に答えまくっていました。

 

来場者からは、ドングリやクワガタの採集のコツから博物館の役割とは?、人と自然が共存するための課題とは?といった難しいけど重要な質問がなされ、お二人がそれに答えてくれました。

そんな感じで大盛況の中、トークイベントは終了。

トークイベント後には企画展に合わせて制作された冊子を手に入れていざ企画展示へ!と思ったらいろいろと話し込んでしまい時間切れ。また次の機会にゆっくり見に行くことにします。

充実した内容となっています。沖縄市に生息する生物、やんばるに生息する生物が広く紹介されています。博物館にて販売されています。

 

沖縄市郷土博物館は入場無料となっているのでぜひ一度足を運んでみてください。企画展には上で触れたOKEON 美ら森プロジェクトのコーナーもありましたよ!

 

(仲栄真)

那覇市内のフィールドの下見に行ってきました!

沖縄も急に秋、というか冬っぽくなってまいりました。

さて、季節が移り変わればフィールドの様子も変わる…ということで、今月ここで予定しているモニターツアーの下見を兼ねて、那覇市内のフィールドに出かけてきました。

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とても良い天気。ここ数日少し冷え込んできてましたが、かなりの陽気です。

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フクマンギの葉。

フクマンギは葉の出方がちょっと変わっていて、枝の同じところから何枚も葉が出るように見えます。それも同時に出るのではなく、葉の脇から次々に出てくる感じです。

これは実は、枝の先にとても短い枝が出ていて、そこに葉が密について(互生)いるんです。

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クサギが花盛りでした。

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クサギの花は雄性先熟「ゆうせいせんじゅく」と言って、はじめに雄しべが成熟し、雄しべがしおれた後にめしべが受粉できるようになります。この仕組みで自家受粉(つまり近親交配)してしまうのを防いでいます。

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今回はたくさん実もつけていました。

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シマニシキソウと、

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その花序。

シマニシキソウは近代になってから熱帯アメリカから入ってきた移入種、とされることが多いですが、少なくとも沖縄や小笠原にはかなり昔から分布していて、もしかすると在来種であった可能性もあるそうです。

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オオジョロウグモのひときわ大きな個体が網を張っていました。

一番前の脚の付け根あたりにイソウロウグモの仲間が見えます。イソウロウグモの仲間は大型のクモの網に住みつき、網の主が相手にしない小さな獲物を食べて暮らしています。

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タカナタマメの花も見頃でした。

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葉はこんな感じの三出葉。蔓はわりと硬くて、日当たりの良い場所の樹にからみつきます。

オオイタビは、まだちょっと若い実(花嚢)がついていました。

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断面を切ってみたところ。

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内側の赤いのが雌花で、その左の白いのが雄花です。

同じ仲間のガジュマルやアコウは雌雄同株で、一つの花嚢の中に雄花と雌花がつきます。これに対して、オオイタビやイヌビワは雌雄異株で、雄株の樹の花嚢には雄花と雌花の両方、雌株の樹の花嚢には雌花のみがつきます。つまり上の写真は雄株。

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秋の花、ツルボが咲いていました。ツルボはキジカクシ科の植物で、北海道〜沖縄とたいへん広い地域に分布しています。

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キキョウランの花。ランの名がついていますが、ラン科ではなくキスゲ亜科というグループの植物です。

ツルボやキキョウラン、ヤブランなどは少し古い図鑑だと「ユリ科」になっていますが、DNAを利用した研究で植物の分類の大掛かりな変更があり(APG分類体系)、それにともなってユリ科から外されています。

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アカシア属の一種。幹は写真のような逆棘だらけ。

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葉はギンネムなどに比べて明らかに細かいです。

ここでは大量に繁殖していますが、他の場所であまり見ないので、もしかすると移入種なのかもしれません。

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ナナホシキンカメムシ。

ほぼ年中見られますが、今回は本当に多かったです。

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ちょっと場所を移動して、

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イノコヅチ(ヒカゲイノコヅチ)の花。

花は穂についていて、咲く前と咲いている時は横向きですが、咲き終わると下を向きます。そのまま下向きの棘のある果実となり、うまく通りかかった動物の体に引っかかって運ばれるようになっています。

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こんな風に茎の節が膨らんでいるのをイノシシの膝に見立てて「猪子槌」の名がついています。

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ジュズサンゴの実。

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こちらは花。

実は鮮やかな色で目立ちますが、南アメリカ原産の外来種です。ものすごく繁殖力が強いので、あちこちで広がってしまっています。

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サツマサンキライの実。花・実は放射状に集まってつきます。

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バクチノキの花。微小な花がたくさん集まってついています。

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拡大するとこんな感じ。

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バクチノキの木肌。幹から樹皮が剥がれる様子を博打に負けて身ぐるみ剥がされた人の見立てて、「バクチノキ」の名がついたと考えられています。

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アサヒカズラ(ニトベカズラ)。美しい花ですが、こちらもメキシコ原産の外来植物です。蜜が多いのか、訪花昆虫がたくさん来ます。

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ニトベカズラの葉にいたアカギカメムシ。

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ナナホシキンカメムシと同様キンカメムシ科のカメムシで、体の下面の方はメタリックな緑で彩られています。

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アカギの実がたわわに実っていました。

葉っぱの形だけ見るとショウベンノキと少し紛らわしいですが、実を見ればまず間違えません。

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沖縄在来のヤシ、クロツグ。

このフィールドにはやたらたくさん生えています。というより、それが沖縄の南部の森の本来の姿だったのかもしれません。

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道を曲がって、

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ガジュマルとアカギの巨木。

こういう大きな樹がたくさんあって雰囲気が素晴らしいのも、このフィールドの良いところです。

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こちらの根を長く伸ばしているのはアコウの樹。

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岩に貼り付いて育っていたガジュマル…が剥がれたものです。少しずつ剥がれていっている気がするのは気のせいだろうか。

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石灰岩の崖の上の植生。ホウビカンジュ、シマタニワタリ、ガジュマル、クロツグなど。

 

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もう一種の在来ヤシ「ビロウ」(ビンロウ、クバとも)。

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ショウベンノキの実はオレンジ色に色づいていました。

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ハラビロカマキリの幼虫。

ハラビロカマキリは少年時代、関東のニュータウンに住んでいた頃は憧れの昆虫でしたが、沖縄では最も普通に見られるカマキリです。

そんなこんなで、ほぼ半日那覇のフィールドを楽しんできました。この時期は暑すぎないし、昆虫も多いし、散策がとても捗ります。

やんばるの森トレッキングツアー催行しました!

お客様よりツアー中の写真の掲載許可をいただいたので、弊社ツアー“やんばる森ウォーキング !亜熱帯林の景観にどっぷり浸りつつ、昆虫や植物を観察”の催行の様子をご紹介したいと思います。

どんなツアー?

このツアーは、やんばる(沖縄県北部の山林)の登山道を歩き、濃密な森の雰囲気に癒やされつつ、道すがらの動植物をじっくり探索・観察しようというツアーです。

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こんな感じの場所を、往復約2.5-3時間ほどかけて歩いていきます。

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今回参加いただいたN様ご夫妻。ありがとうございました!奥様は自然・生物にめっぽう詳しい方。なんとネイチャーガイドのご経験もお持ちということで、いつにも増してマニアックなお話ばかりしてしましました。

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常に観察体制な奥様。見守る旦那様(でも、生き物の巧妙な体の作りのお話なんかは旦那様もかなり好きなご様子でした)。

それでは、道すがら出会った動植物などを。

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控えめなアリモリソウの花。林床にひっそりと咲いています。

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今回も咲いていたリュウキュウヌスビトハギの花。

種は衣服などにひっつきます。種の表面を拡大してみると、まるでマジックテープのようになっているのが分かります。

 

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途中、山肌が一面苔むしたようになっている場所があったりします。

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蘚類(せんるい)の森。ふかふかです。

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このあたりの主な岩は千枚岩。これが風化して崩れていくと「赤土」になります。

千枚岩は一方向に薄く剥がれやすい性質をもっているのでこんな形になります。しきりに「ミルフィーユみたい」「パイ生地みたい」とおっしゃってましたが、うまい表現です。

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亜熱帯の土壌の薄さにびっくりしたり、

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ハンミョウやリュウキュウハグロトンボ、シリケンイモリに遊んでもらったり、

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※この画像は別日に撮影

ギンボシザトウムシのつぶらな瞳に見入ったり、

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帰りには眺めの良い場所に寄ったりしました。

大変楽しんでいただけたようで、何よりでした。

今日は料金以上に沢山色々ご案内して頂いて、本当に有難うございました!とってもとっても楽しく満喫しました。旦那も楽しんでました!

N様ご夫妻、本当にありがとうございました!!

今回のプランの詳細は

今回のツアーのプランの詳細はこちらになります。

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やんばる森ウォーキング !亜熱帯林の景観にどっぷり浸りつつ、昆虫や植物を観察

所要時間:約3時間
<混合プラン> ¥6,000/1名様
<グループ貸し切りプラン> 1名様¥7,000(4名でお申し込み)〜¥9, 000(2名で〃)