リスクマネジメント講習に参加してきました!

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だいぶ日が経ってしまいましたが・・・。

2017年1月10日(火)にNPO法人エコツーリズムセンター(通称:エコセン)主催のリスクマネジメント講習を宮崎・仲栄真が受講してきました。ツアーの安全管理について体系的に学び、同業者の皆様と情報交換する良い機会となりました。

 

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塚原俊也 氏(くりこま高原自然学校 校長)が講師を務め、ご自身の経験談含めとても有意義な情報を提供していただきました。

 

リスクマネジメントとは

野外での体験型アクティビティやエコツアーは、自然を相手にする、または自然環境下で実施することから様々なリスク(講習の中では”不確実性“と表現)が存在します。「リスクマネジメント」とは、そのリスク(不確実性)を対応可能な範囲に収めたり、万が一の事態になった際に被害を最小限に留めるためにやりくりすることで、今回の講習ではそのための考え方や基礎的な知識を学びました。

その中で印象に残っているものを一つご紹介。ハインリッヒの法則とは、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故が起こり、300件のヒヤリ・ハット(事故には至らなかったがその可能性があった出来事)が存在するという法則です。

 

ハインリッヒの法則
ハインリッヒの法則。1929年にアメリカのハーバート・ウィリアム・ハインリッヒによって提唱された法則。実際の労働災害を統計的に調べて導かれた法則とのこと。

 

ヒヤリ・ハットを減らせば、重大事故や軽微な事故が起こる可能性を抑えることができます。そのためには、日頃のヒヤリ・ハット事例を記録していき、それを安全管理マニュアルの作成等の日頃の取り組みに反映することが特に重要とのことでした。

 

安心・安全なツアーの実施のために

キュリオス沖縄では、ツアー事業を始める際に今回と同様の講習会に参加するなどして安全管理に関する情報収集を行いました。また、フィールドでの活動経験の豊富な先輩方にもアドバイスをいただきながら安全管理マニュアルを作成しました。

安全管理マニュアルでは、どういうときにツアーを中止・中断するのか、もしもツアー参加者が怪我をしたらどのように対応するか、そして緊急時の対応手順やリストアップした緊急連絡先などの情報をまとめています。

昨年(2016年)は沖縄県内においてビーチでの落雷事故やマダニによる感染症の発症などのニュースも話題になっていましたので、それらの事例も参考に見直しを検討しているところでした。今回の講習で新たに得た情報やリスクマネジメントに対する考え方を日頃の安全管理にうまく反映させて、これまで以上に安心・安全なツアーを提供できるようにしたいと思います。

 

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安全管理ハンドブックを教材としていただきました。

 

ツアーを選ぶ指標として

昨年は3月に西表島全域が国立公園となり、9月にはやんばる地域も国立公園に指定されました。これらの動きは世界自然遺産登録に向けたものであり、国は2年後の登録を目指して活動しています。

もしもやんばる地域が世界自然遺産に登録されたら、沖縄のエコツアー事業者は急激に増えるのではないかと予想されています。現状でエコツアー事業を始めるにあたって必要な資格や登録制度は特になく、誰でも開業できる状態にあります。そのため、事業者の数が急激に増えると、中には安全管理が不十分な事業者も出てくるかもしれません。

そうなると、体験ツアーを利用する際に事業者の安全管理体制やガイドスタッフの安全管理に関する講習の受講履歴、資格の有無を事業者を選ぶ際の指標として重要になってくるかもしれません。エコツアー事業者もどのような安全対策を行っているのか、きちんと情報発信しておく必要がでてきそうです。

沖縄で体験型ツアーを利用する観光客の皆さまもぜひ安全管理に関する情報をショップを選ぶ指標にご活用ください。そういった取り組みに力を入れている事業者が選ばれるようになれば、エコツアー事業者全体の意識がより高まってくると思います。

事業者と利用者の双方から「安心安全な体験」が提供できる沖縄観光にしていけるといいですね。沖縄で体験型ツアーに参加する際のご参考になれば幸いです。

 

 

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