沖縄ではもう4月からセミが鳴き始めています!日本最小のセミ「イワサキクサゼミ」

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沖縄はもう梅雨の気配を感じるようになりました。連日蒸し暑い日が続いています。

さて、少し前から沖縄では、草むらの中から「アンプのノイズ」のような音が聞こえ始めています。バンド練をしていて「誰かアンプ鳴ってな〜い?」「あ、ホントだ。もー誰よ?俺じゃないよ。ほら」「シールド傷んでんじゃね?」みたいな感じで延々と原因探しをさせられるあのノイズに、ほんとにそっくりな音。

実はこれ、セミの声なんです。と言ってもクマゼミやアブラゼミなど夏を代表する大型のセミの仲間ではありません。

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イワサキクサゼミ Mogannia minuta

これは、「イワサキクサゼミ」という小型のセミの仲間の鳴き声。

声はどこで鳴ってるかイマイチ分かりにくい(音響定位しにくい)音ですが、よく聞いているとたいていは高い樹の上からではなく、目線より下の方から聴こえてきます。

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その名の通り草の上にとまるイワサキクサゼミ

そう、「クサゼミ」の名の通り、このイワサキクサゼミは主にイネ科などの草に止まって鳴いています。

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緑色の翅脈(しみゃく)と黒地に金の体毛が美しい

草に止まるだけあって体も小型で、日本に分布するセミの中では最小の種になります。ちなみに「イワサキ」の方は石垣島測候所長であった岩崎卓爾氏の名前から。

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サイズはこんな感じ。本当に小さいです

主に午前中に活動し、午後はピタリと鳴き止んでしまいます。

沖縄県内のR大学の生物専攻の学生さんの中にも「見たことない」「声も聞いたことがない」という方が多いですが、学内にもいっぱいいます。そういう学生さんは大抵、午前中の授業を全部落としたりしています(笑)

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大気圧を使って遊ぼう!理科の先生のための「理科であそ部」第4回

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沖縄科学技術教育研究会主催、キュリオス沖縄が協力させていただいている学校の先生向けのイベント「理科であそ部」が第4回を迎えました。今回はその様子をリポートします。

「理科であそ部」とは(Facebookページはこちら

「理科であそ部」は、身近なところにひそむ科学を遊びながら学ぼうというコンセプトのもと、教員や科学教育に携わる人たちが集まって活動しています。自分の中の「科学の扉」が開けると、今まで見ていた世界と全く違った世界が見えてくるはず!教材や授業ネタを提供しあって、明日からの授業がレベルアップを目指します!

今回は、目に見えないだけに実感を伴って理解させるのが難しい単元「大気圧」について。

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今回の講師は、佐藤さん(右)と、キュリオス沖縄のメンバーではありませんが、琉球大学教育学部出身の宮城さん(左)

「大気圧はどのような方向に働いているか?」というテーマで、様々な実験をしていきます。学校の授業だと一度にやる実験は1つか、多くて2つか3つですが、この会では一挙に5つも6つも実験をやります。実験好きにはたまりません。

「勉強会」という雰囲気ではなく、どちらかと言うと「大人たちの休日の部活」って感じでした。ただ、講師の方々の実験の分かりやすさやインパクトの工夫については、毎回目を見張るものがあります。

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こちらは減圧によって缶コーヒーの中身を出し、加圧によってもどす実験。

道具はあまり特別なものは使用せず、百均かスーパー、悪くてホームセンターで手に入るものばかりだそうです。

特別な機器を使っているからそうなるんじゃない?と思われてしまうような「子供たちにとってのBlack Box」を作らないことを是としています。

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大気圧の強さを実感する装置(ゴムシート+なべぶたの取っ手)

平らな床に無造作に置くだけで、上からの大気圧により、取っ手を持って真上に持ち上げるのがほぼ不可能になります。

うそん!と思って持ち上げてみましが、微動だにせず。。

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こちらは厚手のボウルに取っ手をくっつけたもの

 

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中でエタノールを燃焼させて冷やすと…

 

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はい、どんなに引っ張っても外れません!

これが「マクデブルクの半球」ってやつです。理論上これを真っ向から引っ張って外すには数百キロの力が要ります(多分取っ手の接着かボウルが耐えられませんが)。

17世紀のドイツでオットー・フォン・ゲーリケという人物により行われた有名な実験ですが、当時はかなり大きな半球を作り、16頭の馬で左右から引っ張ってやっと外れたという記録が残っています。

宮崎も引っ張ってみましたが、マジで外れませんでした。外すときは胸に抱いて左右の半球に別々に上下から「えいやっ!」と力をかけるそうです。

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こちらはペットボトルの中に雲をつくる実験。

炭酸飲料の入っていた耐圧のペットボトルにゴム栓をして自転車の空気入れでシュコシュコと空気を入れ加圧します。

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急に栓を抜くと、ご覧のとおり

おぉ、「ポン」という音とともにペットボトルの中が真っ白になった!

急な減圧で温度が低下し、空気中に溶けきれなくなった水蒸気が微小水のつぶ(=雲)になります。減圧→温度低下&飽和水蒸気量減少→凝結という自然界の雲ができる仕組みを擬似的に再現しています。

あ、よく間違いちゃいますが「水蒸気」は気体の状態の水で、目に見えません。目に見える「雲」や「やかんの湯気」は、液体の状態の細かい水のつぶです。

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水を少し入れたアルミ缶を加熱して…

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冷水に漬けたとたんにもの凄い音がしてぺしゃんこ!

こういうのって、知識としては多くの大人が知っていることだと思いますが、大切なのは「体験して」「おどろいて」おくこと。上の缶の実験、空き缶が「ペコッ」って潰れるとこを想像した人、いません?

確かに!「ペコッ」と潰れると思っていましたが、明らかに「ペコッ」ではなかったです。実際は擬音化するなら「どばしゅッ!!!」という短い轟音とともに潰れてました。

学校で「大気圧」という単元に入るとき、その威力の凄まじさを感じる実験をやっておくと俄然、「なんでこうなるんだろ?」という疑問への誘導がしやすくなります。

というわけで、今回の「理科であそ部」もめちゃくちゃ楽しかったです。先生方にも大好評だった模様。佐藤さん、宮城さん、ありがとうございます!

(by 宮崎)DSCF0284

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沖縄こどもの国のイベント「ART with ZOO」に魔女鍋の中身をぶっ込んできました

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去る3月26・27日、「沖縄こどもの国」のイベント「ART with ZOO」に出展してきました。

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その模様は弊社HPのお知らせでもお伝えしましたが、その辺を今回はもうちょっと詳しく。主に我々が何をやらかしてきたのかについて。

「沖縄こどもの国」について

沖縄こどもの国は、県内で唯一に近い本格的な動物園です。

休日に動物を見たりのんびりしたりしに来る親子連れが多いけれど、それだけでなはく「ワンダーミュージアム」という子供の好奇心を育てたり生き物に関する知識を普及啓蒙したりする施設も併設されており、生き物好きの子供たちや教育熱心なパパ&ママが熱い視線を向ける場所でもあります。以前もこんな楽しいイベントをやっていたりしました。

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沖縄こどもの国正面玄関

出展物打ち合わせ

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右の人物はとある事情で顔を切らなくてはなりません。仲が悪いわけではないですよ〜

悪だくみ打ち合わせ風景。

今回参加させていただけることになったこの実は「ART with ZOO」、今年で初の試みだそうで、コンセプトとしては「沖縄の自然×アート×動物園」ということなのですが、どんな雰囲気のイベントになるか主催側もあまり予想がつかないとのこと。「拾ってきた豆を売ってやろう」「動物のおち◯んちんネタで1時間話せる材料を用意できる」などの不穏な発言が飛び交う打ち合わせを経て、当日を迎えます。

ちなみに僕(宮崎)は「3DCTデータを使って生き物の骨格や内部構造を見てみよう」というネタを持ち寄る…という口実で、当日はMacBook1台のみ引っさげて参戦しました。みんなゴメン。。

イベント当日を迎えて

当日会場入りすると、

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こんな感じや

 

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こんな感じの素敵なART作品が居並ぶ中

 

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明らかに雰囲気の違う一角が。。

 

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かりんとうに見えますが、うんこです。質感もまんまかりんとうです(樹脂処理済み)。かりんとう業界を敵に回しそうです

 

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これ、何の骨格か分かります?

 

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正解はウサギ。そして彼が生前着ていた毛皮がこちら

 

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こちらはハブの頭の3DCT像。自由に回転したり、筋肉や骨に色をつけたりできます

浮いてます。会場のキラキラした雰囲気から浮き切ってます。もはや異物。ある程度予想はしていましたが、出展されている方は県内のクリエーターさんなどが大多数。とあるこどもの国の職員さんの評は、「つい最近共学化した女子大の文化祭の、少数派男子による展示」。

この「展示ブース」と別に「物販ブース」の会場もあったのですが、そちらもカワイイ動物グッズなどが大半だったそうです。ちなみにそこにはキュリオス沖縄の佐藤氏が、さらに混沌としたお店を広げてサメの歯ナイフや透明標本などを販売しておりました。

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でも何故か大人気

そして今回の展示にはもう一人需要な立役者がいます。

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のぶ君。

一見ごく普通の青年ですが、彼が飼っているペットが若干変わってます。

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そんな彼のペットがこちら。

彼はムカデやヤスデ、クモが大好きで、自宅でかなりの数を飼育しています。のみならず、高校生にしてムカデの分類に関する学術的な発表を行ったりと、すでに沖縄のオオムカデ類に関しては第一人者であり、界隈ではちょっとした有名人です。

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お食事風景。ちょっとしたショッキング画像です

 

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ヤエヤマサソリ。ブラックライトを当てると蛍光を発します

今回はその彼の彼の協力により、ペットのムカデやクモ類、そして標本などを展示させてもらい、初日には一日それらの解説も担当してもらいました。

「こんなもん置いといたらもうダメ押しで人来ないだろ…」と思いきや、「怖くてまじまじと見たことなかった」という怖いもの見たさで寄ってくる方から「昔は私も飼ってたわ〜」とおっしゃる一見普通のおばちゃんまで、意外なほど多くの方が興味を持って話を聞いてくれました。

ゴキブリなんかもそうですが、結局「嫌い」「コワい」というのは一定の関心の現れなんですね。「好き」の反対は「無関心」ですから。

追記:そんな彼の最新画像はこちら。

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健在です。オオゲジを頭にのせて記念撮影の図

うん、「処置なし」って感じですね。

終わってみて

さて、魔女鍋の中身と見まごうような展示で挑んだART with ZOOでしたが、終わってみればなんと人気投票で1位を獲得!

これにより、沖縄こどもの国にて何か企画展をさせてもらえることになりました。現在計画中です。

ネイチャーツアーやってます。キュリオス沖縄のHPはこちら

キュリオス沖縄 宮崎のブログはこちら

 

(by 宮崎)DSCF0284

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砂浜に落ちている、キレイに穴が空いた二枚貝の最期が壮絶すぎる件

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皆さんは、二枚貝の殻にこんな感じでキレイな円形の穴が開いているのを見たことがありませんか?

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工作機械で開けたようにしか見えないキレイな円形のこの穴。よく観察すると外側が広く、内側が狭くなっています。さらによく観察すると、この穴が開いている位置はほぼ10割方、貝の蝶番の部分(2枚の殻が繋がっている部分)であることが分かります。こんなことをする犯人はさて一体誰なのか…?

実は、犯人も同じく貝の仲間なのです。

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ツメタガイ Glossaulax didyma

こんな貝が砂浜に落ちているのを見たことがありませんか?

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下面はこんな感じ

ツメタガイというタマガイ科の巻き貝の仲間で、生きている時は殻から肉がはみ出んばかりの肉厚な貝です(リンク先のwikipediaの写真、とてもいいですね)。

こいつは獲物の二枚貝を見つけると軟体部で包み込み、歯舌(しぜつ)と呼ばれる貝の持つ”歯”を使ってゴリゴリと殻に穴を空け、そこから中身を残らず食べてしまいます。

これ、二枚貝からするとちょっと想像したくない最後ですよね。二枚貝は貝柱と呼ばれる強力な筋肉を使って殻を閉じることで身を守るのですが、なにしろツメタガイ相手にはそれが全く通用しません。必死で殻を閉じて守りを固めている横から、何の抵抗もできないまま穴を空けられてむさぼり喰われてしまうのですから…。

ちなみに二枚貝の天敵はいっぱいいます。タコやヒトデはガチンコ勝負で殻をこじ開けにかかるし、カワハギなど強靭な歯で殻を割って食べる魚もいます。でも、想像すると個人的にはツメタガイにやられる最期がいちばん嫌ですね。

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ホント、いい仕事してます

ちなみに、貝の蝶番の近くを狙って穴を空ける理由もちゃんとあって、早い話がここが一番殻が薄くて短時間で穴が開けられるからです。二枚貝は蝶番でくっついた部分から広がるようにして貝殻を大きくするので、この部分は貝殻が小さかった時の名残で貝殻の厚みが他と比べて圧倒的に薄いのです(下図)。

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赤い部分が小さいころの貝殻

同じタマガイ科には巻き貝を食べる種類もいて、この場合も貝殻が最も薄い場所を狙います。巻き貝で殻が一番薄い場所はどこか…?皆様も一緒に考えてみて下さい♪

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ちなみに、この貝は沖縄にはいません。上のツメタガイの殻の写真を撮ったのはこの神奈川県の逗子海岸という所。

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この辺は神奈川県でも地魚がうまい所でもあります。じゅるり。マアジの叩きとか、沖縄にいると時々無性に食べたくなりますね。

さて、ツメタガイは沖縄に分布しないと書きましたが、同じタマガイ科の貝は何種か分布しております。そのうちの一つがこちら。

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ホウシュノタマ Notocochlis gualteriana

サイズは小さいですが、こちらもツメタガイに負けず劣らず二枚貝を襲う獰猛なハンターです。

おまけに。

干潟でこんな形の物体を見たことがあるでしょうか。よく観察すると砂が固められてできています。

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実はこれ、タマガイの仲間の卵塊で、砂と粘液を混ぜあわせ、そこに微小な卵を埋め込んで作られています。産んだ卵が外敵におそわれないようにこんな物を作ると考えられています。

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サイズがだいぶ違う2タイプが見られます。別の種類のタマガイのものか?

その形状から、この卵塊のことを「砂茶碗」と言ったりします。

ツメタガイやタマガイ類の生きた個体を探すのにはちょっとコツが要りますが、穴が空いたアサリ・ハマグリや砂茶碗なら、生息地の海岸ならちょっと歩くだけで大変手軽に見つかります。皆さんも是非探してみて下さい。

(by 宮崎)

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こんなヒトデ、見たことないですか?腕が1本だけ長いやつ!

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ヒトデの仲間には、◯◯ホウキボシという名前のつくヒトデが何種類かいます。あるいは、「ホウキボシ科」というグループもあります。

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アオヒトデ Linckia laevigata アカヒトデ目ホウキボシ科

ヒトデは英語で”sea star”。「星」ならともかく、「ほうき星」とはこれいかに??

実は、こんな感じのヒトデがいるんですね。

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ゴマフヒトデ Linckia multifora

これなら文句なく「ほうき星」!!(ドヤ顔)

…うーんどうだろう^^;?アスキーアートの「☆彡」を想像してるとちょっと気持ち悪いかもしれません。ヒトデの5腕のうちの1つが異様に大きくなっています。というか、より正確にはその逆ですね。

実はこれはゴマフヒトデの本来の姿ではなく、腕がちぎれて1本になったあと、他の4本の腕が再生している途中なのです。このまま腕が成長していけば、5本とも同じ長さにまで成長します。このような成長(再生)途中の形態を「コメット comet」といいます。英語で「ほうき星」の意味ですね!

「コメット」になる種類は限られていて、ホウキボシ科であってもコメットにならない種類もいます。例えば、先に出てきたアオヒトデは超普通種ですが、コメットになっている個体はついぞ見かけたことがありません。コメットをつくる種類は一説には、自ら積極的に腕をちぎって増殖(無性生殖)していると言われています。

(宮崎)

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沖縄の池で魚獲り用のワナをかけると、何が入るのか??

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<この記事は、筆者の個人ブログOkinawa Biograffitiの過去記事をリライトしています>

皆さん、子供の頃池や沼に「ワナ」をしかけて遊んだこと、ありませんか?

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こんなやつ

僕はあります!というか子供時代の遊びのメインはそんなのでした。

「沖縄こどもの国」にて、そんな懐かしいワナを掛けて遊ぶというイベント(ワークショップ)があったので行ってきました。

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無駄を省いた記述、分っかりやす〜い!二度見したけどな!!

ちなみに僕が子供のころ地元(神奈川県)でよく使っていたのは、こんなやつなのですが、

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今見たらファスナーが完全にあかん、買い直さないと…

これ、「もんどり罠」っていうらしいですね。初めて知りました。

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で、こういう罠を沖縄の池で仕掛けると何がかかるのかというと…

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でェン!コンジンテナガエビ!!

日本最大のテナガエビとされています。大きなものは全長30cmを超えます。まぁテナガエビなので全長の半分は手(鋏脚)なんですが…

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いい笑顔すぎ。そして汗かきすぎ。

今回のイベントは、このTさんという学芸員の方がいろいろな解説をしてくださりました。トンボがご専門だそうです。広範な専門知識と、あっという間に子供に囲まれるスキルを併せ持ってます。

沖縄の淡水を語る上で外せないのがこの魚「ティラピア」。

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大量のティラピアの幼魚

多分、沖縄の方に「わなを掛けたら何が入ると思う?」と聞いたら10人中8,9人が「ティラピア!」と答えると思われます。アフリカ原産のティラピアは、県内ではそれくらメジャーな外来魚。もともと食用に持ち込まれた魚ですが、現在では沖縄のほとんどすべての水域に定着してしまっています。かなりの汚濁にも、40℃もの高水温にも、短期間なら海水にも耐える厄介な魚です。

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糸くずのように小さい魚も、すべてティラピアの幼魚

沖縄の河川や池には実は、他にもたくさんの種類の外来魚が定着してしまっています。

ティラピアの次に有名なのは他に南米産のナマズの仲間であるマダラロリカリア(いわゆるプレコ)。下の写真は某R大学内の池で撮影したもの。橋の上から余裕でシルエットが確認できます。水槽の“コケ取り”として売られていますが、大きくなるとコケ(藻類)を食べなくなり、持て余して捨てられるケースが多いようです。

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いわゆる「プレコ」

他にもアフリカ産シクリッドの仲間のアーリー(Sciaenochromis fryeri)がいたとか、ダム湖で熱帯アジア原産のパールダニオ(Danio albolineatus)が大量繁殖していたりとか、南米産のグッピー(Poecilia reticulata)や北米産のソードテール(Xiphophorus hellerii)がメダカのような顔(?)をして川に棲んでいたりとか…もう外来魚のデパートと言って差し支えないほど。冬でも水温がそれなりに高いので、飼いきれなくて捨てらてしまった「熱帯魚」が容易に定着してしまうのです。

「命を大事にする」という教育以外に「生態系を大事にする」という教育も必要ですね。

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今回のワークショップもそんな話で締めくくられました。外国産のカブトムシやクワガタムシなどの昆虫がホームセンターで手に入る昨今、子供たちとて外来種問題の当事者なのです。

おまけ。

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コイは沖縄島では立派な「外来種」です。しかも、本来生息していない水域のカニやらエビやら貝やら水草やら、何でもかんでもすごい勢いで食べつくす「世界の侵略的外来種ワースト100」にも名を連ねる困ったちゃんです。もちろんコイに罪はないですが。

区長…やんばるの自然を大切にするなら、コイ放しちゃだめっす…

(by 宮崎)DSCF0284

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