【写真満載】ヤシガニってどんな生物?食べられるの?はさまれたらどうなる?論文も引用しつつ解説してみるよ

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「ヤシガニ」をご存知でしょうか?

テレビなどのメディアでもときどき取り上げられるので、写真や映像で見たことがある人も少なくないかもしれません。

カニでやエビに少しずつ似ているけれど、でもどちらでもない、とても奇妙な形をした生き物です。

ヤシガニ…ヤシガニって何だ?

いかにも海の中にいそうな形をしていますが、さにあらず。成長すると海水にも淡水にも入ることはなく、森の落ち葉の上をのしのしと歩き回ります。

体はがんじょうな殻に覆われ、非常にがっしりしています。

甲はヘルメットのような形をしていますが、よく見ると上の写真のように、左右に分かれています。はさみや脚は硬いですが、甲の部分はふつうのカニのようにカッチカチな硬さではなく、硬めのソフトビニール人形のような手ざわり。

脚は5対(片側5本の計10本)あり、いちばん前の脚は強大なはさみ(鉗脚)になっています。

そしてよく見ると、実は一番後ろの脚も小さなはさみになっています。

ヤシガニは何の仲間?

カニでもエビでもないような形をしたヤシガニは、実はヤドカリ、それも「オカヤドカリ」に非常に近い生き物です。

ミトコンドリアの遺伝子領域の再配列順序でみたカニ・カニダマシ・ヤドカリ類の系統関係(ML法による系統樹).Morrison et al, 2001を改

エビ目ヤドカリ下目(異尾下目)、つまり「いわゆるヤドカリ」の中でもとりわけ陸上に適応したのがオカヤドカリの仲間で、その中でも進化の過程で貝殻を背負うことをやめてしまった変わり者がヤシガニ、と言えそうです。

こう見るとオカヤドカリっぽいですね

ちなみにオカヤドカリは亜熱帯〜熱帯にかけて分布するヤドカリで、名前のとおり陸上で暮らしています。

ヤドカリ類のしっぽ(腹部)はやわらかく、巻き貝のら線形にあわせて「くるん」と巻いているものがほとんどです。

ところが殻を背負うことをやめてしまったヤシガニは腹部をお腹の下に折りたたむような形で保護しており、さらに腹部は上半分が殻で覆われています。

一方、腹部の下半分、内側に折りたたまれいる部分(上の写真の◯の部分)は実はぷにぷにと柔らかいのです。

が、ここは強力なハサミのリーチ内なので、さわってみようかな、なんて気は起こさないこと!!

ヤシガニもオカヤドカリもエラ呼吸

ヤシガニやオカヤドカリはエラを持っていて、そのえらを常に水でしめらせ、空気に触れさせることで水に溶けこんだ酸素を取り入れて呼吸しています。

この仕組みのおかげで、空気中で呼吸することができるのです。

ヤシガニの場合、陸上生活への適応が進んだ結果、えらが水で満たされてしまうと十分な酸素が得られず、水の中に長時間いると溺れ死んでしまうようです。

ヤシガニの大きさは?

ヤシガニがもうひとつ他のオカヤドカリの仲間と違う点は、そのサイズです。ちなみに上の写真はごく小型の個体です。

では大きいのはどのくらいか?

はい、どーん!

この個体で体長20cm、体重2kgほどでしょうか。

これでも最大級にはまだ遠く、最大で4kgほどになる、いやもっと大きくなるのでは?と言われています※1

また、かなり長寿であることが知られ、最近沖縄で行われた研究で、50年ほど生きるだろうということが分かっています(Oka et al, 2015)※2

写真の個体は、現在の筆者(32)より先輩である可能性も大ですね(笑)

※1 カニなどの甲殻類の仲間には、大きくなるにつれ成長はゆっくりになるものの、生きている限り脱皮を続け大きくなるものが少なくありません。なので、時折長生きした結果とんでもなく大きな個体が見つかることがあります。

※2 Oka S, Miyamoto K, Matsuzaki S, Sato T. Growth of the Coconut Crab, Birgus latro, at its Northernmost Range Estimated from Mark-Recapture Using Individual Identification Based on Carapace Grooving Patterns. Zoolog Sci. 2015 Jun;32(3):260-5. doi: 10.2108/zs150008.

…こんなサイズのヤシガニ、夜の森の中でいきなり会ったらちょっとビビリますよね?

ヤシガニは、陸上生活をする節足動物(昆虫やクモ、ムカデ、カニなど)としては、間違いなく地球上最大(重さ)の種です。

この「大きさ」は、身を守るのにも役立っていると考えられます。

特に1kgを超えるような大きさに成長してしまえば、自然界にヤシガニをおびやかせるような生物はそうそういません。…人間を除いてですが。

ヤシガニは、貝がらを捨てて大きくなるという進化の道を選んだのでしょうか。あるいは、大きくなりすぎた結果、貝がらを背負えなくなったのでしょうか。答えはヤシガニ自身も知らないかもしれません。

ヤシガニは木を登る??

次はヤシガニの行動や生活史について。

ヤシガニは英語でもcoconut clab(つまり椰子蟹)と呼ばれます。

ヤシの木に登って、実を落として食べる…という話が昔から都市伝説的に語られていますが、これは真実ではない模様。

ですが、木登りが大変うまいのは事実です。

脚でがっしりと木の幹をつかみつつ、ビックリするほどスルスルと木に登ることができます。

巨大な個体でも、この通り。ちなみに後ろ向きで登ることもできます。

オーバーハングした岩もこの通り

また、ココヤシの実を食べるのも事実のようです。(沖縄にはもともとココヤシは分布していないので、実際に食っているのを見たことはありません)

基本的に動物性のものも植物性のものも食べる雑食です。ほかにもアダンの実などが好物で、アダンに関しては地面に落ちたものだけではなく木に登ってなっている実を食べたりもするようです。

余談ですが、アダンの実は完熟すれば人間も食べることができます。味は「あんまりおいしくないカキ」という感じ。熟れていないと激渋だし、熟れるとあっという間に大量の虫がたかるので、タイミングが難しいです。

ヤシガニにはさまれるとどうなる?

ヤシガニを有名にしたものの一つが、ヤシガニの「はさむ力」の強さです。

ハサミ状になったヤシガニの第一脚

これまでも「凄い力だ」とは言われてきましたが、最近、ヤシガニの「はさむ力」を本格的に計測した研究が行われました(Oka et al, 2016)※3

※3 Oka S, Tomita T, Miyamoto K. A Mighty Claw: Pinching Force of the Coconut Crab, the Largest Terrestrial Crustacean. PLOS ONE. 2016 Nov. doi:10.1371

この研究によれば、これまでに計測された最大の力は2キロ超の個体の1765N(ニュートン)。最大級の個体ではその力は3000Nを超えるのではないかと言われ、これはライオンのかむ力に匹敵するのではないかと考えられています。

人間の指の骨などは本当に簡単に砕いてしまうくらいの力なので、くれぐれもはさまれないように注意が必要です。

ちなみに写真は、ヤシガニの大型個体を見つけて一緒に写真を撮ろうとしたところ、服をつかまれ、ものすごい力でたぐり寄せられてビビっている筆者。

この後、シャツを脱いで危機を脱しました。

その後、シャツをつかんだまま後退して逃げようとするので取り返そうとしましたが、なんと体重70kgのこちらが引きずられます(笑)(上の論文によると、大型の個体は30kgの物体を持ち上げる力があるそうです)

ヤシガニがあきらめて放してくれるのを待って、なんとかシャツは取り返しました。

ヤシガニは食べないほうがいい?

ヤシガニと言えば、とにかく「珍しい食材」としての情報がクローズアップされます。

でも、はじめに言っときます。今後、ヤシガニは食べるのはなるべく止めておきましょう。理由は2つほどあります。

理由①:とても希少

すでに書いたように、ヤシガニは自然界では天敵の少ない、かつ長生きな動物です。

つまり、たとえたくさんいるように見えても、「長生きで死なないからたくさんいる」のであって、捕まえて食べてしまえばあっという間に減ってしまうのです。

このような動物は、他の魚などのように人が「資源」として利用するの向きません。

養殖するとしても、あまりに成長が遅いという問題があります。食べられるくらいのサイズ(殻がたいへん厚くあまり身が入っていないので、体重500gくらい必要)になるのに、オスで10年以上、メスは25年かかると考えられています。養殖の方法が確立したとしても、とても商売としてやっていけなさそうですね。

さらに、ヤシガニが生息することのできる環境は年々減り続けています。とくに沖縄本島では、一時期絶滅したのではないかとさえ言われていました。

現在では生息地が何ヶ所か確認されていますが、環境省のレッドリストでも絶滅危惧II類(VU)に指定されており、絶滅のおそれがあることに変わりありません。

生息にはこんな感じの環境と、大小の洞窟とがセットで必要

各島でも減り続けており、多良間島ではようやく繁殖期の個体の捕獲を禁止する罰則付きの条例が制定されました。

テレビや観光雑誌などでグルメ食材として取り上げられることがありますが、観光で来た人が食べるほど数がいるような生き物ではないことは確かです。

文化としてヤシガニを食べるという地域もありますが、これも人口密度の低い地域で、ごくたまに獲って食べる…というくらいでないと、とうてい成立しないものです。

不幸なのは、沖縄県内でこの事実があまり知られておらず、「ヤシガニ」というと食べることを連想してしまう県民がいまだに多いことです。

ヤシガニにかぎらず、逆に希少性を売りにして高い値段で提供する…という商売をごくたまに見かけますが、これはもう論外ですね。

理由②:食中毒のリスク

ヤシガニ自身は毒を作りませんが、さまざまなものを食べるヤシガニは、食べたものによっては猛毒を持つことが知られ、死亡例もあります。

ハスノハギリという木の実がその原因になっているという説もあるものの、まだはっきりしたことは分かっていません。

ハスノハギリはこんな葉を持つ樹

一部地域では、毒のある個体は茹でたときの色で判断できると信じられていますが、科学的根拠は全くなく、明らかな迷信です。

(他のエビやカニの仲間と同じで、加熱によってタンパク質と結びついていたアスタキサンチンが分離して赤系の色に発色するため、茹でると必ず赤くなります)

ヤシガニと沖縄文化

沖縄にはかつてヤシガニを食用としていた地域がある一方、ヤシガニを「死者の魂をあの世に送る存在」として、決して食用にしなかった地域もあるようです。

かつて奄美・琉球では死者の遺体を洞窟に安置して白骨化させる「風葬」が一般的でしたが、この風葬の期間、遺体の肉を食べてきれいに取り去ってくれる代表的な生物が、ヤシガニやオカヤドカリだったということです。

洞窟内のヤシガニ

さすがにご遺体の肉を食べた(かもしれない)生き物を食べるというのは抵抗があるようで、どうもそのような言い伝えが色濃く残っている島や地域では、ヤシガニも比較的多く残っているようです。

どこに行けばヤシガニに会えるの?

上記のように沖縄県内ではヤシガニを見つければ捕まえて食べようとする人がまだ多く、残念ながらヤシガニが残っている地域について、一切具体的な情報を公開することはできません。

SNSなどに上がっている写真のGPS情報から簡単に場所を特定される時代ですので、ヤシガニを見つけても安易にスマフォで撮った写真をアップしないよう、お願いいたします。

ヤシガニは海岸に近い森に生息しています。ふだんは海からかなり離れたところにも住んでいますが、産卵の季節になると海に下り、腹に抱えた卵を海水に浸けます。すると、その刺激で卵からヤシガニの幼生がふ化して海の中へ飛び出していきます。

しばらくプランクトンとして育った幼生は、はじめオカヤドカリそっくりな形になり、貝がらを背負って上陸してきます。そしてしばらく成長するうちに貝がらを捨て、親と同じような生活スタイルに落ち着きます。

オカヤドカリとヤシガニ幼生の見分け方ですが、オカヤドカリは貝がらにこもるときにハサミと脚を使い、自分が入っている貝がらにフタをすることができます。

たとえ小さい個体でも、こんな風に脚とハサミを使ってフタができるのがオカヤドカリ

多少はみ出ることはありますが、とにかくハサミや脚を組み合わせてピッチリ隙間を塞ぐことができるのがオカヤドカリです。

これに対して、貝がらを背負っている時期のヤシガニは、貝がらにこもっても隙間だらけで、オカヤドカリほどうまく入り口を塞ぐことができないそうです。

ヤシガニはペットとして飼える?

正直なところ、筆者もヤシガニを飼ってみたいと思ったことが何度か…いや何度もあります。ただ、ヤシガニを長期飼育するのは大変難しいそうです。

ヤシガニに限らずオカヤドカリもですが、雑食性の生物の飼育は餌の栄養バランスがものすごく難しく、人間の与える餌では栄養に偏りが生じてなかなかうまく飼育できません。

また、適度な湿度があってなおかつ風通しがないと脱皮不全などで死にやすく、そのあたりのコントロールも非常に難しいようです。

オカヤドカリは数年生かした、という話をたまに聞きますが、オカヤドカリも20年くらいは生きると考えられているので、健康な状態で長生きできているかは疑問です。

プラケースなどに入れて数日飼うというのだと、プラケースを破壊して脱走する可能性が大です。また、水分が足りなかったり熱がこもる場所に置いていたりすると簡単に死んでしまいます。

もし見つけても、長生きさせる自信がないならその場で観察して逃がすのが最良です。

まとめ

  • ヤシガニはオカヤドカリの仲間
  • ヤシガニにはさまれると超危険
  • ヤシガニは数が減っており、成長も遅いため、食べるべきではない

ヤシガニは学術的に興味深いのはもちろん、なにより出会って非常に楽しい生き物です。

こんな生き物、子どもたちが見つけたら大はしゃぎなのは容易に想像できると思います。

美味しいという話も聞きますが、その「食体験」は、この先何十年もそのヤシガニが地元の子どもたちを楽しませる可能性を奪ってまで得るものでしょうか。

野生の生き物を捕まえて食べるというのは必ずしも悪ではありませんし、うまくやれば人が自然に依って生きていることを再認識素晴らしい体験にもなり得ます。

ただ、ヤシガニはそれをするにはあまりに成長の遅い生き物で、また今ではあまりに数が少なくなりすぎました。

せっかくお互いに生き物としては長寿なのですから、もしヤシガニに出会っても、「10年後また会おうな!」と言ってそっと逃してあげましょう…!

★生き物を探したり観察したり、生態系や環境について学んだりするツアーを行っております。

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のんびり一人旅の沖縄旅行で、ガイドが同行するエコツアーへの参加が意外とおすすめな5つの理由

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急にぽっかり空いた休暇に、日ごろの自分へのご褒美に、のんびり自由な旅がしたくて、一人旅で沖縄へ…という方は年々増えています。

一人旅は気ままでいいものです。スケジュールにしばられた日頃の生活から解放されて自分のペースで行動するなら特に、一人旅に限ります。なにせ、行き先はもちろんのこと、何時に起きて何をいつ食べて…ということまで、何もかもまったくあなたの自由です。

もし一緒に行く相手が徹底的に自分に合わせてくれる人だったとしても、「合わせてもらってる」という感覚がどこか頭のかたすみにありますよね?一人旅はそれすらありません。

せっかく行き先が自由なのですから、徹底的に自分の好きなこと・興味のあることをしましょう。

レンタカーは必須?食堂へは一人で入れる?沖縄への一人旅のプランを立てるなら

1.一人旅でのアクセス

バスなどのアクセスにしばられず思い立った場所にふらっと行くなら、第一の選択肢はレンタカーになります。料金を抑えたいなら、ニコニコレンタカーはオススメ。県内に14店舗もあり、景色のいいスポットの多い県北部にも2店舗(名護市)あるのはポイント高いですね。ただし乗り捨て不可なので要注意。

“格安レンタカー革命!激安ニコニコレンタカー 沖縄のレンタカー店舗一覧”
https://www.2525r.com/okinawa/

少し値は上がりますが、乗り捨て可能なレンタカー屋ももちろんたくさんあります。またレンタカーは、ハイシーズンは申し込みが殺到してどこも空きがない…という状態になりやすいので、とにかく早めの予約を。

一人旅なら思い切ってバスを利用してのんびり巡ってみる、というのもアリかもしれません。が、沖縄のバスは基本的に「遅れます」。ハプニングが起こっても動じないぞ、という方ならチャレンジしてみてもいいかもしれません。

2.一人旅で日帰り離島

レンタカーを借りたなら、本島から気軽に船で渡れる離島に足を伸ばすのもアリです。船酔いなどの問題もあり、このへんは同行者がいると意見が分かれそうなところですが、一人旅なら問題なし!

ちなみに本島から日帰りで無理なく船で渡って観光できる離島は「久高島」「水納島」「伊江島」「伊是名島」「津堅島」「渡嘉敷島」など。

ほかに「瀬底島」「屋我地・古宇利島」「浜比嘉・伊計島」「奥武島(南城市)」など、橋で渡れる離島も気軽に寄れてオススメです。

屋我地島と本部半島の海峡「ワルミ大橋」。沖縄本島指折りの絶景だ。

3.一人でも参加できるアクティビティ

沖縄、とくに沖縄本島は人気の観光地になっているだけあって、ダイビングなどの体験も1人でも気軽に参加できるプランが豊富に揃っています。

ダイビング業者は「激安」をうたっている所より、ある程度しっかり料金を取って上質なサービスを提供している業者の方が安心です。

極端な安売りをせず、少人数制でしっかりしたダイビングサービスを提供している人気のショップ。
“マリンクラブナギ”

思い切ってパラセーリングをやる、なんていうのもアリかもしれません。ほとんどの業者が一人での参加を受け付けています。
“沖縄パラセーリング特集”

4.一人で入れる体験型観光施設

体験型の施設として、一人で参加する方にオススメなのが「ガンガラーの谷」のガイドツアー。数十万年前に鍾乳洞の天井が崩れてできた谷の中を歩ツアーで、非常に人気です。鍾乳洞の中にあるカフェ「ケイブカフェ」なんて珍しい施設もあります。

※2017年10月28より、これまで非公開だったエリアを利用した夜歩きツアー「夜のジャングル探検ウワーガージャングル」も始めるそうです。

室内でじっくり楽しむアクティビティとして一人旅の方に圧倒的にオススメなのが、首里琉染の「サンゴ染め体験」。サンゴの骨をカットした時に現れる模様を利用して、ストールやTシャツなどを専用インクで染めます。もちろんお一人様可。こちらも一人旅ならではこそ、じっくりと好きなだけこだわって1つの作品を仕上げられます。

5.一人で入れるレストラン・食事処

一人旅でとくに気になるのは、食事のときレストランや食堂に一人で入れるか…というところぐらいでしょうか。

しかし、外食が普通の文化ということもあって、沖縄の食堂はたいていの場合カウンター席など1人でも入りやすい席を用意しています。

一人旅で、ふと誰かと話したくなったら…エコツアーへの参加で決まり!

さて、ここからが本題。一人旅は気ままでいいものだ、という話をさんざん紹介してきました。たしかに、何事もマイペースで進められるというのは一人旅の圧倒的なメリットです。

しかし、「今日、これから何する~?」みたいな感じではしゃいだり、感動をその場で共有したりするぐ仲間はいません…一人旅ですから。人によっては「今日一日、お店の注文以外で会話しなかったな…」というのにふと寂しさを覚えるかもしれません。

沖縄らしさを満喫し、一人旅のメリットを活かしきりつつ、旅先で交流もしたい。そんなあなたに断然!おススメなのが…

エコツアーへの参加です(断言)!

「あ、ちょっといいかも?」と思った方も、「いやいや、あんまり興味ないし…」と思った方も、まあ聞いて下さい。

一般には家族向けと思われがちなトレッキング、ウォーキングなどのエコツアー、ネイチャーツアーですが、実は一人旅で「こそ」が楽しめる要素が満載なのです。

1. まず、ガイドという現地友達ができる!

一人旅のいい所は、何といっても旅先で新たな知り合い・友達ができること。家族、友人同士で行ってももちろんできないことはないですが、やはり1人で行動すると旅先で出会う人々とぐっと交流しやすくなりますね。

そしてそんな交流の第一歩として、エコツアーのガイドは最適です。もともと職業上、ホテルや観光施設の職員さんなどと違って接する距離が近く、自然な流れで自己紹介や雑談ができます。

居酒屋で見ず知らずの人に声をかけたり、かけられたりというのがちょっと苦手な方でも、ツアーは「もともとそういう場」なので大丈夫。ガイドや他の参加者たちと、ごく自然に交流することができます。

ガイドをやっている方はたいてい見識も広く、土地のおいしい店、地元の人のみ知る名所やスポット、方言、お土産などについて、ネットでは情報に埋もれてしまって手に入りにくいような情報をたくさん持っています。また交友の幅が広い人も多いので、そこからいろんな繋がりが増える可能性も。

ちなみに、ガイドもまたいろいろな地方から来るいろいろなお客さんに会えるのを楽しみにしています。私自身ガイドをしていますが、同僚のガイドの案内したお客さんには、(貸し切りでツアーで)道中しゃがみこんで次々とデッサンを始める、なんてお客様もいらっしゃいました(デザイン関係のお仕事をしている方だそうです)。

沖縄で知り合ったガイドとFacebookやLINEを通じて交流を続けていけば、次に家族や友人、恋人を連れて沖縄に行ったときに「実は、現地に親友がいるんだ…」なんてことも可能です。

2. インスタ・FacebookなどのSNSのタイムラインが華やかに

フォトジェニックなスポットの多いイメージがある沖縄ですが、とくに那覇の街中などは想像以上に「都会」。街から出ずに行動すると、大阪や東京にいたのとあまり変わらない被写体としか出会えません。

トレッキング、ウォーキングなどのエコツアー・ネイチャーツアーなどに参加すれば、美しい季節の草花や風景、さらに好きな人なら昆虫や爬虫類など、沖縄に行ってきた感満載の写真でSNSのタイムラインをうめつくすことができます。

本当に静けさと孤独を求めて一人旅をする方も中にはいますが、たいていの人はホテルや旅館にもどってSNSやメールを開いてしまうのではないでしょうか?そんな時、知り合いにリアクションしてもらえるような写真をいっぱい撮っていると、ちょっと旅先や帰った後の時間が豊かになるかもしれません。

3. 自然を知ることは文化を、ほんとうの沖縄を知ること

テーマを持って旅をする、というのも一人旅の楽しみ方のひとつです。

沖縄にかぎりませんが、その地域の文化や風習、人を深く知ろうと思ったら、その地域の自然について知る必要があります。「沖縄が好きで、沖縄のことは何でも知りたい!」という方には、ぜひ沖縄の自然についても興味を持ってほしいなと
思います。

たとえば、沖縄を代表する花として多くの方が真っ先に思い浮かべる「ハイビスカス」は実はインドなどが原産の外来種で、もともと沖縄にはなかった植物です。

代わりに、ハイビスカスによく似た「ユウナ(オオハマボウ)」という黄色い花を咲かせる植物が沖縄の海岸には自生していて、こちらは琉球民謡の歌詞に登場したり琉歌にも詠まれたりと、沖縄にとって非常に馴染みの深い植物です。

「ゆうな」と読ませる名前が沖縄の女性の名前として今も人気があるのも、たぶんこれと無関係ではありません。「ユウナの花」と聞いて灯りがともったような優しい黄色を思い浮かべられれば、ひとつ沖縄の人と共通の感性を手にしたことになります。

また、観光で訪れる方が沖縄の自然に興味を持ち知ろうとすることは、実は沖縄の観光の未来にとってとても重要なことです。

たとえば綺麗に整備されたリゾートやUSJやTDLのような巨大テーマパーク、魅力的なお土産や食事にばかり需要があれば、沖縄の観光の発展のためにはどんどん設備や施設を増やしていかなくてははなりません。

でももし「沖縄に来たんだから、沖縄の自然を楽しみたい」という需要が増えれば、地元としても観光資源である自然を積極的に保全せざるを得なくなります。これは私見ですが、沖縄が「沖縄らしく」あるため、そしてこの先も観光地としての魅力を持ち続けるために、沖縄の自然は絶対必要なものです。

4. 自然を通して、自分のあり方を見つめ直せる

一人旅をしてゆっくり自分の時間を持つことで、考えを深めたい、今の自分のあり方を見つめ直したい、という人もいます。

そんな時は、日々の生活の狭い世界での葛藤や衝突から抜け出し、自然の生き物の生き様に生き抜くヒントをもらってみるのはいかがでしょうか。

「ガジュマル」という沖縄を代表する樹があります。ガジュマルは影をつくる大きな樹がとなりにあると、まっすぐに伸びて高さを競うのではなく横に伸びて、より光を受けやすい方へ「逃げて」しまいます。そこで幹から根を下ろし、新天地で大きく成長します。

自然界というと厳しい掟というイメージがありますが、そしてそれは事実ですが、それ以上に自然界の生物は柔軟に、合理的に自らに合った生き方で生きています。

人類なんて生物の進化の歴史からすると「新参者」もいいとこなのですから、自然界の動植物の生き様から世渡りや人間関係、ビジネスのブレイクスルーを学んでみる、というのもアリかもしれません。

5. 土産話がとても豊かになる

旅先で出会ったエピソードに一人で向き合うと、人はその体験を誰かと共有したくなるもの。一人旅を終えるとたいていの人は旅先であったことをいろいろな人に「土産話」として語りたがります。

そんな時、何がおいしかった、何がきれいだったという話の中に、沖縄の自然や文化に関するキラリと光る「知識」が含まれていれば、聞く人からも一目おかれることうけあいです。是非エコツアー・ネイチャーツアーなどに参加して仕入れたネタで、定番とはひと味ちがう「沖縄通」を気取りましょう!

ツアーに参加するには?一人旅向けエコツアーの選び方と注意点

宿泊したいホテルや地域が決まっているのであれば、そこから遠くない場所、アクセスの良い場所のツアーを選びます。バスでの移動も可能ですが、とくに南部・中部のバスは遅れやすいため注意が必要です。北部のツアーには送迎などがなく現地集合・解散のレンタカー客向けのツアーも多くあるので、注意が必要です。

またツアーによっては、1人での参加を受け付けていないところもあるので、事前に要確認です。

ひとくちにコツアー・ネイチャーツアーといっても、カヤックや山登りなど体を動かすことが主体のツアーもあれば、じっくり草花や生き物、景色などを見て歩くツアーもあります。このへんは好みによって選択しましょう。どんなツアーか分からなければ、遠慮なく電話やメールで問い合わせてみるとよいでしょう。

★弊社(キュリオス沖縄)では、生き物を探したり観察したり、生態系や環境について学んだりするツアーを行っております。

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沖縄の夜の森に、巨大なカニに会いにいくお話

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さて、沖縄ではいよいよ夏も本格的になってきました。

先日、思い立って1人で懐中電灯片手に、夜の森に行ってきました。

カニに会いに。

翅の短いバッタ、オキナワモリバッタや

おやすみ中のキチョウの仲間がお出迎え。

蚊をたたきつつ夜の森を進むことしばし…(めんどいので、1人のときは蚊よけをつけてません)

いましたよ!本命のミナミオカガニ Cardisoma carnifex

カニって浜にいるもんでしょ?と思っている方には、落ち葉のつもった森の中にカニ、というのが新鮮かもしれません。

でもそういうカニなんです。

つかまえて写真を撮ろうとして、長靴をはさまれる

 

普段は海岸(とくにマングローブ)近くの林の中に穴を掘って暮らし、落ち葉などを食べています。

初夏の大潮のタイミングでいっせいに海に下って産卵し、しばらくプランクトンとして海で育った後、陸に上がってきて生活するようになります。そういう意味ではオカヤドカリやヤシガニに近いサイクルですね。

なんとか捕獲

カニをつかむのときは甲羅の横をつかむのが定石ですが、ミナミオカガニはハサミを甲羅のだいぶ後ろまでまわして威嚇してくるので厄介です。

こちらは♂

♂は、お腹にある三角形(腹節といいます。実はエビの食べる所にあたる部分です)がせまいのが特徴。

こちらは♀の個体。両方ともハサミがあまり大きくないですね。

こちらは♀

♀のお腹の三角形の部分は、卵をかかえられるように幅広になっています。

ごらんのようにかなり大きくなるカニですが、食べても味が薄くおいしくないようです。

もともと数もそんなに多く生息しているわけではないので、観察して楽しむにとどめましょう。

せっかくなので寄った写真も撮ってみました。

どうです、この威容。

はさまれたらさぞかし痛そうですが、♂の超大型個体になるとハサミが湾曲してきっちり閉まらないので、そこに指を入れてもはさまれません(写真の個体くらいだとダメです)(というかいずれにせよ真似しないでください)。

こんな感じでハサミを振り上げ威嚇してきます。そんなに動きが速いわけではないので、追い詰めるとじっくり観察できます。

シャキーン

 

こんなカニ、ツアーで見に行きたい方いらっしゃいます?

もし一定の需要があれば、イベント的にやるかもしれません。

〈文章:キュリオス沖縄 宮崎〉

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【修学旅行】やんばるにて、都立農業高校さまの自然体験学習(亜熱帯の森コース)を担当しました。

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4月20日、学習院高等科の修学旅行の「亜熱帯の森コース」のガイドを担当させていただきましたので、そのときのお話を。

当日は少し雨まじりの霧のかかる天候だったのですが、楽しんでいただけました。

トウヅルモドキという植物の葉を触っているところ

皆さん好奇心旺盛で、道すがら山の昆虫や植物について解説すると写真を撮ったり、触ったり。

センダンの花

登山道に入る前の道ではセンダンの花が満開でした。

リュウキュウコンテリギ

こちらはリュウキュウコンテリギ。アジサイのような装飾花はありませんが、アジサイの仲間。沖縄本島の北部「やんばる」に固有な植物です。

リュウキュウハナイカダ。

こちらはリュウキュウハナイカダ。葉の真ん中から花が咲く変わった植物です。葉の柄と花の柄が途中まで融合することで、こんな奇妙な形になっています。

そして意外と人気だった生き物が…

アワフキムシの巣

アワフキムシ。山中でこんな泡を見つけたら、誰かが吐いたツバではありません。アワフキムシの幼虫の巣です。

アワフキムシはセミやウンカに近い昆虫の仲間で、幼虫時代にお尻から出る水分と分泌物(アンモニウム石鹸)でこんな泡を作り出します。

泡なんて隠れ家としていかにも頼りなさそうですが、昆虫はふつう気門と呼ばれているお腹の穴を泡でふさがれてしまうと窒息死してしまうため、泡はきわめて有効な防御になります。

岩の上のカタツムリを激写中。

このとき撮られていたカタツムリはこちら。

シュリケマイマイ

シュリケマイマイという、殻の外周に毛が生えた平べったいカタツムリの仲間。いつも岩の上にいて、葉っぱの上や木の幹で見つかることはまずありません。

生徒さんの中にはデザイン専攻の方もいるそうで、自然の造形の面白さにとても敏感に反応してくれていました。

天気はいまいち

見晴らしのいい尾根に出ましたが、天気はいまいち。晴れた日ならここから海が一望できるのですが…

それでもめっちゃ笑顔

海側の景色がパッとしないので山をバックにパチリ。

こちらはもう1班のグループ。

ここでやんばるの自然の固有性についても解説。奄美〜沖縄本島〜八重山は温帯と熱帯のはざまに位置します。このような緯度の地域を地球上で探すと乾燥地帯がほとんどで、沖縄のような湿潤な気候の場所は他にほとんどありません。

熱帯でも本州のような温帯でもなく、かつ雨の多い沖縄は、気候的に見ただけでもすでにとても特殊な場所なのです。

さらにそこに、中国大陸とつながったり離れたり、という地誌が関係してさまざまな固有な生物が進化し、生態系が育まれました。

つまりは、こんな天気の日があるからやんばるの森が豊かでいられるって事ですね。

視界がちょっとよろしくないので下山は慎重に。

アリドオシの花。派手さはないですが整った形のきれいな花です。

…というわけで下山し、まとめをして終了!

自然や生き物の話を興味を持って聞いてくれたのも良かったですが、造形やデザインといった僕らが普段あまり見ない視点から楽しんでいた生徒さんもいて、こちらもとても刺激を受けました。

都立農業高校の皆さん、引率の先生、添乗員さん、ありがとうございました!

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危険?そうでもない?見かけてもそっとしておこう「ヒメハブ」

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p2410048

やんばる(沖縄本島北部)の水場やその近くで最もよく遭遇するヘビがこのヒメハブ Ovophis okinavensisです。

沖縄で「太くて短いヘビ」を見かけたらヒメハブ

太短い体型が特徴で、体の色は変異がありますが、赤っぽいこげ茶色のものが多いようです。

ハブやサキシマハブなどとは少し違う仲間(ヤマハブ属)に分類されます。

沖縄の言葉で「ニーブヤー」(意訳:いつも眠そうにしている怠け者)と呼ばれるように、昼夜問わずじっとしていることが多く、あまり動き回りません。

ヒメハブの危険性は?

ヒメハブも、毒ヘビには違いありません。

これは体のつくりや性質を見ても明らかで、毒を使わずに狩りをするヘビは体も長く、もっとずっと筋肉質で素早いです。

ヒメハブの毒の毒性は、少なくとも人に対してはハブと比べてずっと低いと考えられ、またハブに比べると攻撃性も低いことから、山や畑作業に慣れた人には軽視されがちです。

ですが、2本指の欠けた手を見せながら「農作業をしていて咬まれて、放置していたら指が壊死してしまった」というお話をしてくださった方もいるので、あまり軽視しすぎない方がいいでしょう。

基本的に距離を保って観察する分には、向こうから近付いてくることはありません。

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また、枯れ葉にまぎれる体色や動かない性質から「いても気づきくい」ため、誤って踏んづけて咬まれないように注意が必要です。

万が一咬まれた場合は、慌てなくてよいので必ず病院を受診しましょう。

カエル食いのヒメハブ

ヒメハブはカエルが大好物…というより、餌のほとんどをカエルに頼っているそうです。

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沢の浅瀬につかるヒメハブ

普段は沢など水場のそばにいますが、雨が降ってカエルが活発に動き回るときは一緒に道路などに出てきます。

夜の沢やカエルの繁殖期の水場に入ると、何個体も目撃することができます。

ヒメハブは見つけてもそっとしておこう

沖縄では、ヘビを見かけると殺そうとする人もいます。

ハブの個体数が多く、ハブによる咬傷が絶えなかった時代は生活の知恵の一つだったのかもしれません。

しかし、今やハブの個体数はやんばるでもそれほど豊富ではなく、人家の敷地内に出た場合などを除いて殺す必然性はありません。

ヒメハブにいたっては、上に書いた通りもともとあまり危険性の大きなヘビではありません。

ヒメハブを見かけたら、侮らず適度な距離を取ってじっくり観察してみましょう。

ちなみにヒメハブは、世界中で沖縄諸島と奄美群島のみに生息する固有種です。

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夜の沢で見かけたヒメハブ。珍しく最初から攻撃態勢
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世界自然遺産登録を目指す「やんばる」の山に、県内の参加者と登ってきました!

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前回、天候不順のために山に入れなかった県内参加者向けのやんばるツアー。

今回は天候にめぐまれ、存分に山を堪能することが出来ました!

昼からのツアーなのでまずは大宜味の道の駅で腹ごしらえ。

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時期限定かもしれませんが、ここ大宜味の道の駅の食堂では水の代わりにシークワーサー水がピッチャーで飲み放題です(写真右上)。「◯◯の天然水」とか「◯ろはす」とかより濃くてしかも甘くなく、なかなか美味しかったです。

さすが、柑橘の里おおぎみ!

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山に登る峠道は「ススキロード」と化していました。7-8分ほどの峠道を登って登山口の駐車場へ。

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今回の参加者は16名あまりと、やや大所帯でございます。

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登山道の入り口に咲いていたサキシマフヨウ(アオイ科)。もうそろそろ花も終わりかけで、代わりに綿毛をつけた種がいっぱい詰まった果実も見られました。

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いざ入山。

登山道に入ると、湿度が一気に高くなるのが分かります。

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ツワブキ(キク科)の黄色い花がたくんさん咲いていました。沖縄ではこの花が咲くようになると、いよいよ本格的に冬の到来です。

ちなみにツワブキの花はキク科の花らしい清々しい香りがします。嗅いだことがない方はぜひ。

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こちらも冬の花、アリモリソウ(キツネノマゴ科)。

うつむき加減に咲きます。一見真っ白な花ですが、花の中をのぞきこむと赤紫色の模様が見えます。

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種類の分からないキノコ。

枯れた樹、弱った樹の材の中には、菌類の菌糸が入り込みはびこって分解を加速させていきます。倒木はキノコを含む菌類のパラダイスになり、そららを食べにカタツムリの仲間なども集まってきます。

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アオミオカタニシ。きれいな緑色をしていますがこれは実(肉)の部分の色で、殻は無色の半透明です。

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途中の広場で休憩。

今回のツアーは、沖縄県が「奄美琉球」の世界自然遺産を目指していることを県内のみなさまに普及啓発することが目的でもあるので、そのへんのお話もしました。

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さらに石段の登山道を登っていきます。

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お子さんが見つけて大喜びしたナナホシキンカメムシ。虫がやや少なくなったこの季節でも安定して見られるいい昆虫です。匂いはアレですが(キュウリの青臭い匂いを濃縮して強烈にしたような感じです)。

葉の裏に集団で止まっているところも見かけました。

 

バージョン 2

ようやく尾根に到着。ちょっとガスってましたが、やんばるの山々と西海岸の海が一望できます。

頂上へは、ここからなだらかな尾根道を歩いてすぐです。

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アオノクマタケラン(ショウガ科)の実。ドキッとするほど赤いです。

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そして尾根沿いの道に咲いていたのがこのオキナワテイショウソウ(オキナワハグマ)(キク科)。

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花弁の先がくるんと同じ方向に捻れた、独特の花です。

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サイズはこんなもん。

尾根道を歩いてすぐ、山頂に到着します。しますが、ここの山頂はあんまり開けてないので、さきほどの尾根道に着いた時点ですでに登頂が終わったような感じです。

そして、参加者の方が山頂で見つけてくれた面白い植物がこちら。

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ナンバンギセル(ハマウツボ科)という寄生植物です。

イネ科の植物の根に寄生し、地上へは花茎(かけい)と花のみが出てくる、というとても変わった植物。葉緑体はないため、生きているときも茎は枯れたような色をしています。

その他、下山途中でシリケンイモリや、

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オキナワキノボリトカゲなど。

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気温的にも植物の装い的にもすっかり冬ですが、冬でもそれなりに温暖な沖縄ではこの季節も様々な生き物が活動を続けていました。

車道に出てしばらく行ったところでオキナワスズメウリ(ウリ科)が大量に実をつけているのを見つけました。

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可愛らしい実ですが、すさまじい繁殖力ではびこるので庭などに植える際は要注意です。

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最後に、オオバギの葉が切られくるんと丸まっているのを発見。

開いてみると、ハネナシコロギスの巣でした。

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こちらは別の日、夜間に撮影

夜になると葉の上などで獲物を待っていますが、昼間はこんな感じの巣をつくってその中に隠れています。

そんな訳で、とても充実した山歩きでした。

なお、今回のツアーと同内容のツアーは、弊社のこちらのガイドツアーにてご参加いただけます。

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やんばる山トレッキング !植物・昆虫をじっくり観察しながら、季節の山を歩く

所要時間:約3時間
<混合プラン> ¥6,000/1名様
<グループ貸し切りプラン> 1名様¥7,000(4名でお申し込み)〜¥9, 000(2名で〃)

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第9回モニターツアー実施しました!

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11月20日に、キュリオス沖縄で毎月行ってきたモニターツアーの第9回を実施しましたので報告します。

朝9:30、那覇市末吉公園の駐車場に集合。

当日は時々パラパラと雨が降る天候で、派手に濡れるようなことはなかったのですが、代わりにかなり蒸し暑く「冬どこ行った?」という感じの気候。

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今回はお子様も2名参加です。大変ありがたいことに、業界の方にも来ていただけました。

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駐車場のモモタマナの樹から定期的に実が落下して僕らや参加者の方の車に「ガン」「ゴン」と当たります。よく見るとオオコウモリの歯型がありますね。

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それではGO!まずは駐車場入口の脇から高台に登っていきます。

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ハマビワの花が咲いてました。これは雄株ですね。

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参加者を差し置いてまずは観察です。

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皆さん大変熱心でした。

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さて、ずいずい登ってきます。

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ナナホシキンカメムシ発見。葉の裏にはもっとびっしり集合してました。

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興味津津ですが、カメムシ臭い…と触ろうとしません。

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…あらら、寄生蜂にやられたんでしょうね。クロツバメというガの幼虫。卵を産み付けられて、体の中で孵化した幼虫が成長して体を食い破って出て、蛹になって飛び去った後と思われます。

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…というお話をして参加者一同ドン引きの瞬間。

ちなみにクロツバメの幼虫は有毒なジャコウアゲハの幼虫に擬態して鳥の目を欺いていると考えられますが、もちろん寄生蜂にそんなの通用しません。

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クロツバメ、成虫もいました。前ばねは烏の濡れ羽色、後ばねはさらに青の金属光沢が乗り、大変に美しいガです。クロツバメをはじめとしたマダラガの仲間は、ガにもかかわらず昼間活動します。

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クサギ(アマクサギ)の花。

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この写真は別の日に撮影

雄しべ、雌しべともにとても長いのが特徴。

クサギの花は雄しべが先に成熟し、その後雄しべがしおれると雌しべが成熟する…という仕組みで自家受粉を避けています。

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実もついてました。

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こちらはタカナタマメの花とマメ。濃くも上品なピンク色です。

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「この花、マメ科の花として何かおかしくないですか?」との僕の問いかけに、「上下が逆さまなんじゃないでしょうか」

ドンピシャです。いやぁSさん、恐れ入りました。

タカナタマメやハマナタマメは花柄が反り返り、結果として普通のマメ科の花と上下逆に付きます。

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そして子どもたちは生き物を見つけるのが天才的に速いです。

こちらはヘリグロヒメトカゲ。

落ち葉の堆積しているところに住んでいて、アリやシロアリを食べて暮らしています。手足がたいへん短いのが特徴。

 

その後、高台から降りてちょっと住宅街を進み、民家の脇にある道から末吉宮を目指します。

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ナガマルコガネグモ。網にあるX字(半分しかなくてV字になってますが)の模様は「隠れ帯」と呼ばれていてクモが網を張った後に糸で編みつける模様です。

この隠れ帯の機能には諸説あり、外敵から身を隠すためだとか、クモが食べられないような大型の生き物がむやみに網に引っかかって壊さないようにとか、紫外線を反射して餌となる昆虫を引き寄せるとか言われていますがよく分かっていません。

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他にもシークワーサーの葉を日に透かして油点を見たり…

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迷蝶ルリウラナミシジミの後ばねを見つけてその美しさにみんなで関心したりしながら進みます。

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おっ、これはクサカゲロウの仲間の幼虫。

クサカゲロウは幼虫の時期は肉食で、捕食した虫の残骸とか糞とかゴミとかを背負ってカムフラージュしながら歩いています。

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おっ、こいつは…

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指下板をチェック。明かりに集まってきて鳴くヤモリとは別の「ミナミヤモリ」という種類です。

ヤモリは、吸盤で壁などにくっついているワケではありません。この指下板にミクロの毛が密生していて、なんとその毛と壁の間に生じる分子間力(ファンデルワールス力)によって貼り付いているのです。

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末吉宮も近くなってきた所で、コウシュウウヤク(イソヤマアオキ)という植物の上に…

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じゃん!

アケビコノハの幼虫を発見。

どこがどうなっているか分かりにくいですが、茎にぶら下がった状態で右側が頭を中にして「くるん」と丸まっていて、左が足(尾脚)をグッと持ち上げている状態です。

平気なフリをしてましたが、僕の「イモムシ嫌いセンサー」のメーターを振り切る存在。これは参加者の皆さんにも衝撃的だったみたいですね。

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さて、ここの景観を見せたかったのです。

大きなガジュマルがもともと付いていた岩から剥がれて地面に横たわっています(もちろん生きてます)。

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参加者の皆さんからも「那覇じゃない…」「那覇じゃないよね」と口々につぶやいていました。

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沖縄南部の典型的な植生が街中に残る、とても貴重な場所です。

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最後に末吉宮の石段のところまで登って、

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「ああ、やっぱり那覇だった」って言って、

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時間も押していたので急いで戻りました。

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かなり時間をオーバーしてしまい、参加者の皆様にはご迷惑をかけました。最初の高台のポイントも悪くはないですが、蛇足だったかもしれません。

お子様がいろいろな物に興味を持ってくれたのは本当に良かったです。

というわけで、参加して下さった皆様、ありがとうございました&大変お疲れ様でした!

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那覇市内のフィールドの下見に行ってきました!

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沖縄も急に秋、というか冬っぽくなってまいりました。

さて、季節が移り変わればフィールドの様子も変わる…ということで、今月ここで予定しているモニターツアーの下見を兼ねて、那覇市内のフィールドに出かけてきました。

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とても良い天気。ここ数日少し冷え込んできてましたが、かなりの陽気です。

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フクマンギの葉。

フクマンギは葉の出方がちょっと変わっていて、枝の同じところから何枚も葉が出るように見えます。それも同時に出るのではなく、葉の脇から次々に出てくる感じです。

これは実は、枝の先にとても短い枝が出ていて、そこに葉が密について(互生)いるんです。

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クサギが花盛りでした。

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クサギの花は雄性先熟「ゆうせいせんじゅく」と言って、はじめに雄しべが成熟し、雄しべがしおれた後にめしべが受粉できるようになります。この仕組みで自家受粉(つまり近親交配)してしまうのを防いでいます。

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今回はたくさん実もつけていました。

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シマニシキソウと、

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その花序。

シマニシキソウは近代になってから熱帯アメリカから入ってきた移入種、とされることが多いですが、少なくとも沖縄や小笠原にはかなり昔から分布していて、もしかすると在来種であった可能性もあるそうです。

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オオジョロウグモのひときわ大きな個体が網を張っていました。

一番前の脚の付け根あたりにイソウロウグモの仲間が見えます。イソウロウグモの仲間は大型のクモの網に住みつき、網の主が相手にしない小さな獲物を食べて暮らしています。

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タカナタマメの花も見頃でした。

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葉はこんな感じの三出葉。蔓はわりと硬くて、日当たりの良い場所の樹にからみつきます。

オオイタビは、まだちょっと若い実(花嚢)がついていました。

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断面を切ってみたところ。

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内側の赤いのが雌花で、その左の白いのが雄花です。

同じ仲間のガジュマルやアコウは雌雄同株で、一つの花嚢の中に雄花と雌花がつきます。これに対して、オオイタビやイヌビワは雌雄異株で、雄株の樹の花嚢には雄花と雌花の両方、雌株の樹の花嚢には雌花のみがつきます。つまり上の写真は雄株。

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秋の花、ツルボが咲いていました。ツルボはキジカクシ科の植物で、北海道〜沖縄とたいへん広い地域に分布しています。

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キキョウランの花。ランの名がついていますが、ラン科ではなくキスゲ亜科というグループの植物です。

ツルボやキキョウラン、ヤブランなどは少し古い図鑑だと「ユリ科」になっていますが、DNAを利用した研究で植物の分類の大掛かりな変更があり(APG分類体系)、それにともなってユリ科から外されています。

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アカシア属の一種。幹は写真のような逆棘だらけ。

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葉はギンネムなどに比べて明らかに細かいです。

ここでは大量に繁殖していますが、他の場所であまり見ないので、もしかすると移入種なのかもしれません。

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ナナホシキンカメムシ。

ほぼ年中見られますが、今回は本当に多かったです。

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ちょっと場所を移動して、

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イノコヅチ(ヒカゲイノコヅチ)の花。

花は穂についていて、咲く前と咲いている時は横向きですが、咲き終わると下を向きます。そのまま下向きの棘のある果実となり、うまく通りかかった動物の体に引っかかって運ばれるようになっています。

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こんな風に茎の節が膨らんでいるのをイノシシの膝に見立てて「猪子槌」の名がついています。

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ジュズサンゴの実。

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こちらは花。

実は鮮やかな色で目立ちますが、南アメリカ原産の外来種です。ものすごく繁殖力が強いので、あちこちで広がってしまっています。

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サツマサンキライの実。花・実は放射状に集まってつきます。

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バクチノキの花。微小な花がたくさん集まってついています。

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拡大するとこんな感じ。

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バクチノキの木肌。幹から樹皮が剥がれる様子を博打に負けて身ぐるみ剥がされた人の見立てて、「バクチノキ」の名がついたと考えられています。

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アサヒカズラ(ニトベカズラ)。美しい花ですが、こちらもメキシコ原産の外来植物です。蜜が多いのか、訪花昆虫がたくさん来ます。

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ニトベカズラの葉にいたアカギカメムシ。

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ナナホシキンカメムシと同様キンカメムシ科のカメムシで、体の下面の方はメタリックな緑で彩られています。

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アカギの実がたわわに実っていました。

葉っぱの形だけ見るとショウベンノキと少し紛らわしいですが、実を見ればまず間違えません。

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沖縄在来のヤシ、クロツグ。

このフィールドにはやたらたくさん生えています。というより、それが沖縄の南部の森の本来の姿だったのかもしれません。

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道を曲がって、

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ガジュマルとアカギの巨木。

こういう大きな樹がたくさんあって雰囲気が素晴らしいのも、このフィールドの良いところです。

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こちらの根を長く伸ばしているのはアコウの樹。

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岩に貼り付いて育っていたガジュマル…が剥がれたものです。少しずつ剥がれていっている気がするのは気のせいだろうか。

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石灰岩の崖の上の植生。ホウビカンジュ、シマタニワタリ、ガジュマル、クロツグなど。

 

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もう一種の在来ヤシ「ビロウ」(ビンロウ、クバとも)。

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ショウベンノキの実はオレンジ色に色づいていました。

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ハラビロカマキリの幼虫。

ハラビロカマキリは少年時代、関東のニュータウンに住んでいた頃は憧れの昆虫でしたが、沖縄では最も普通に見られるカマキリです。

そんなこんなで、ほぼ半日那覇のフィールドを楽しんできました。この時期は暑すぎないし、昆虫も多いし、散策がとても捗ります。

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やんばるの森トレッキングツアー催行しました!

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お客様よりツアー中の写真の掲載許可をいただいたので、弊社ツアー“やんばる森ウォーキング !亜熱帯林の景観にどっぷり浸りつつ、昆虫や植物を観察”の催行の様子をご紹介したいと思います。

どんなツアー?

このツアーは、やんばる(沖縄県北部の山林)の登山道を歩き、濃密な森の雰囲気に癒やされつつ、道すがらの動植物をじっくり探索・観察しようというツアーです。

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こんな感じの場所を、往復約2.5-3時間ほどかけて歩いていきます。

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今回参加いただいたN様ご夫妻。ありがとうございました!奥様は自然・生物にめっぽう詳しい方。なんとネイチャーガイドのご経験もお持ちということで、いつにも増してマニアックなお話ばかりしてしましました。

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常に観察体制な奥様。見守る旦那様(でも、生き物の巧妙な体の作りのお話なんかは旦那様もかなり好きなご様子でした)。

それでは、道すがら出会った動植物などを。

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控えめなアリモリソウの花。林床にひっそりと咲いています。

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今回も咲いていたリュウキュウヌスビトハギの花。

種は衣服などにひっつきます。種の表面を拡大してみると、まるでマジックテープのようになっているのが分かります。

 

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途中、山肌が一面苔むしたようになっている場所があったりします。

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蘚類(せんるい)の森。ふかふかです。

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このあたりの主な岩は千枚岩。これが風化して崩れていくと「赤土」になります。

千枚岩は一方向に薄く剥がれやすい性質をもっているのでこんな形になります。しきりに「ミルフィーユみたい」「パイ生地みたい」とおっしゃってましたが、うまい表現です。

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亜熱帯の土壌の薄さにびっくりしたり、

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ハンミョウやリュウキュウハグロトンボ、シリケンイモリに遊んでもらったり、

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※この画像は別日に撮影

ギンボシザトウムシのつぶらな瞳に見入ったり、

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帰りには眺めの良い場所に寄ったりしました。

大変楽しんでいただけたようで、何よりでした。

今日は料金以上に沢山色々ご案内して頂いて、本当に有難うございました!とってもとっても楽しく満喫しました。旦那も楽しんでました!

N様ご夫妻、本当にありがとうございました!!

今回のプランの詳細は

今回のツアーのプランの詳細はこちらになります。

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やんばる森ウォーキング !亜熱帯林の景観にどっぷり浸りつつ、昆虫や植物を観察

所要時間:約3時間
<混合プラン> ¥6,000/1名様
<グループ貸し切りプラン> 1名様¥7,000(4名でお申し込み)〜¥9, 000(2名で〃)

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プロジェクト・ワイルドの講習会に参加してきました!

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少し前の話になりますが、去る10月23日に国頭村森林公園にて「美ら島財団総合研究センター」の主催で「プロジェクト・ワイルド」の講習会が開かれたので、参加してきました(一般財団法人 沖縄美ら島財団設立40周年記念)。

プロジェクト・ワイルドのHP

ということを重視したものになっていました。

また、全体的に理屈を説明するため効率的な作業というよりも「遊び」として楽しく参加できるように作られており、子供向けのプログラムを作る上でもとても参考になりそうです。

というわけで、参加した皆さんお疲れ様でした。また、主催してくださった美ら島財団総合研究センター、運営に関わった皆様、後藤和夫様、ありがとうございました!

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